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ランクル80と紡ぐ新しいストーリー

本格的にキャンプを始めたのは、ランクル80の納車とほぼ同時期。

幼い頃両親に連れられて何度かキャンプをやった経験はあるが、「当時の思い出は、飯ごうを使ってお米を炊いたぐらいですからね(笑)。最近のキャンプについて良く知らなかったんです」。

大きなベージュのバッグは全天候型の車内用マットレス。電気ポットではなく火をおこしてコーヒーを飲む、LEDではなくガソリンランタンで明かりを得ると、電化製品は使わない主義。


だから最初はキャンプをよくやっている知人に声をかけて連れていってもらい、キャンプの方法やギアの知識をアップデートしたという。さらに経営するコンサルティング会社の若手を誘ってキャンプへも行くようになる。

「我々の仕事は準備力がとても大切。キャンプもそうだと気づいたんです。テントの設営・撤収ひとつとっても、どうテントを仕舞えば次回効率良く設営できるか、車への積み方はどうすればいいか考えるようになります」。

その成果はランクル80の、キレイに効率良く積まれたラゲージのギアを見れば一目瞭然だろう。

キャンプ道具が一式つまっているラゲージ。仕切り棚は設楽さんによる自作だ。


「それに、現場の状況を見てから提案を求められる僕らの仕事にも、キャンプは役立つと思うんです。何があるか、起こるかわからない自然を相手に遊ぶことで、情報収集力と情報を整理する能力も高められるんじゃないかと。

また道具の扱い方も勉強になる。大事に扱わないと仕事道具もキャンプ用具も、いざというときに働いてくれませんから」。

会社のロゴシールをつくり、ランクル80のあちこちに貼っている。「会社名を入れている以上、やはりしっかり運転マナーを守らなきゃと自然と背筋が伸びます(笑)」。


だから本当はもう少しキャンプへ行きたい。

昔からやっているスキーも年1回じゃなく、2回、3回と出掛けたい。せっかく30歳を過ぎて覚えたサーフィンは、ここ数年行っていない。冒頭で触れたように、仕事が忙しすぎるのだ。

「キャンプも『今週末は晴れそうだから』なんて行き方ができません。あらかじめかなり先の日程を決めて雨天決行。1回幼い娘を連れていったときなんて、土砂降りで。あとで娘にどうだった?と尋ねると『楽しかった。でももう行かない』と言われてしまいました(笑)」。それもまた思い出のストーリー。



購入して1年にして、さまざまな思い出が積み重ねられているランクル80。ティーン時代の憧れシリーズのストックはこれで最後だ。次は、どうするのだろう。

「正直まだ考えていませんが、ガソリン車が禁止されるまではこの車に乗り続けるつもりです」。

乗れなくなるその日まで続くストーリーが、設楽さんにとってランクル80をより特別な存在に変えてくだろう。その次章の一行目は……。

「まずは、晴れた日にもう1度、娘とキャンプへ行きたいですね(笑)」。



鳥居健次郎=写真 籠島康弘=取材・文

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