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フォード好きのカルチャーを、未来に残す

電動化に合わせてシャシーは補強されている。
しかもこれらのモーターやバッテリーを、今後単体で販売する予定だという。
「フォードの創業以来、オーナーは外観からパワートレインの変更まで自由にカスタマイズしてきたというカルチャーがある。このF-100エルミネーターは、そんなカルチャーを、今後の電気自動車時代においてもフォードはサポートする」ということを示したかったという。
ボンネットを開けると、ガラス越しにモーターが見えるようにしてある。
何しろカスタマイズ市場は、年間約500億ドル(約5兆6500億円!)もあるんだよ、と同社。そりゃ確かに無視できない。
まずはモーターから販売が決まっているそうで、価格は3900ドル(約44万円)。ビンテージカーやトラック、SUV、さらには最近のモデルでも何でも「電気自動車にして販売したい!」というビルダー向けに販売するそうだ。
インテリアは一気にモダナイズ。オーディオやエアコンスイッチの代わりに大型タブレットのようなディスプレイが中央に備わる。
以前に紹介したフィアット500の電気自動車。これとまったく同じことを、フォード自身がサポートするっていうから驚きだ。
しかも今後はバッテリーシステムやコントローラー等々、さまざまな電動化パーツもリリースしていくという。
メーター類のあった部分には、バッテリーの残量を示す液晶パネルに。
だったら初代マスタングや初代ブロンコとか、リンカーンコンチネンタルとか、ほかのFシリーズとか……夢はどんどん膨らんでくる。
しかもこのF-100エルミネーターを見ればわかるように、現代を走る車としての快適性や機能性も備えることができるらしい。
センターコンソールにあるダイヤルは、かつて“ガコン”と操作していたシフトレバーの役割を果たす。
カッコいい古い車は好きだけど、故障が怖いから手を出せない、という人はたくさんいると思うが、自動車メーカーが作る電動化パーツにスワップできるなんて、これが旧車の楽しみ方の新潮流!?
日本でも旧車を電動化したい気運が高まれば、それを実現してくれるメーカーやビルダーも現れて……。さすが自動車の大衆化の礎を築いたフォード、電気自動車の夢も、膨らませてくれるね。
 
籠島康弘=文


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