「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは……リーダーを任せられた今、相談できる目上の相手がいなくなってしまった。日々小さなモヤモヤが増えていく……というお悩みに、組織と人事の専門家がアドバイスする。
本日の相談者:41歳 販売業
30人規模の会社です。若い頃は同じ立場の同僚や先輩に悩みを色々と聞くことができたのですが、役職についた今、愚痴をこぼす相手もおらず、「他の人だったらどうするか」の情報がまったく入ってこなくなってしまいました。経営層に相談するほどの悩みでもないので、小さな悩みが溜まっていき、孤独を感じます。
| アドバイスしてくれるのは…… そわっち(曽和利光さん)1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。 |
承認欲求が満たされない!
リーダーの孤独を感じたときにこそ、是非この連載を読んでください!……と言いたいところですが、それは冗談として。
小さな会社で同じ立場の人が少ないとき、誰も相談する人がいないというのはよくあることですが、辛いですよね。
人間は他者からの「承認」(正当だと認められること)による癒しが必要だからです。
どんなに有能な人でも、世界のすべてを理解できているわけではありませんし、自分の行うことすべてが100%正しいと思えるわけではありません。
そして、そこにある迷いや不安を埋め合わせてくれるのが他者からの「承認」です。有名なマズローの「欲求5段階説」でも「承認欲求」を人間の基本的欲求の4段階目としています。
「正解がわからないこと」ほど、他者の承認が必要
それでも、何らかの法則やノウハウなどにのっとってやれば必ず結果が出る「正解がわかっていること」であればひとりでも自信を持って遂行していくことができるかもしれません。
しかし、仕事では事前に「正解がわかっていること」よりも「やってみなければわからないこと」も多いものです。ひとりで逡巡していても、わからないものはわからないのですから、とっととやってしまえばよいのですが、それができれば苦労はしません。
そこで、「私も君の考え方は正しいと思う(本当にそうかはわからないけど)」という「承認」によって誰かに背中を押してもらって勇気を出すことがさらに重要になるわけです。
2/3