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2021.12.11

初期型“1100カタナ”を激渋カスタムする建築家「これはまだ手放したくないんですよ」

Motorcycle Update▶︎バイクのある人生は素敵だ。お気に入りの一台に跨って、家を出るワクワク感。時を忘れてカスタムに興じる悦び。バイクを楽しむ大人たちをピックアップ!
■中村高淑さん(53歳)
スズキ・カタナ
建築家、株式会社 中村高淑建築設計事務所代表取締役。建築誌以外の雑誌でもその作品を何度も取り上げられている。
男の憧れである「ガレージのある家」も得意とし、2016年に建てた自身のオフィス兼自宅はまるでショールームのような出来栄え。https://nakamura-takayoshi.com

■スズキ・GSX1100Sカタナ(1981年モデル)
スズキ・カタナ
1980年のケルンショーで初お目見えした「カタナ(KATANA)」は、日本刀をモチーフにハンス・ムートがデザイン。
ショーモデルに小ぶりなフロントスクリーンを加え、マフラー2本出しと機能面での小変更を施しただけの状態で市販化されるや、一気に世界中にファンが生まれる。
国内版の750は、当時の規制のためアップハンドルにスクリーンなしで販売され、そのスタイリングに不満をもったユーザーは1100S用に交換。
違法改造として当時の警察から取り締まりを受けたことを当時のカタナ乗りは「刀狩り」と呼んだ。
スズキ・カタナ
「オーリンズのリアユニットは、本当はもう少し安いモデルのほうがスプリングの色が格好良いんだよね」と、性能のみを追求してカスタムしているのではない。とはいえ、すべてのパーツに“イイモノ”が選ばれている。

■乗り始めた理由は「なんとなく」

まるでショールームのようなガレージに納められた1981年式、初期型のスズキ・GSX1100Sカタナ。一見するとノーマルに見えるが、目を凝らして見ると各所にカスタムの跡が見える。
「大学に進学してすぐに中型免許を取ったんです。特にバイクに思い入れがあるとかじゃなかったんだけど、当時入っていたテニス部の同級生もバイクに乗っていたし、高校の親しい友人も乗っていたから、なんとなく……という感じだったと思います」。
その第一声は、初期型カタナにこだわり、改造費のみで国産アッパークラスの車も買えるほど投資したオーナーの言葉とはにわかに信じがたいものだった。
スズキ・カタナ
「最初に買ったのはホンダ・CBX400F。当時は20万円台で購入できる中古バイクで、スタイリングも格好良かった。
でも、CBXは盗難率も高くて、例に漏れず私のバイクも1年足らずで消えてしまったんです」。
スズキ・カタナ
その後、250ccのオフロードバイクやオンロードバイクを乗り継ぎ、ついに限定解除を目指すことになる。
例のテニス部の友人が750ccのバイクを購入し、それがすごく格好良かったのだそうだ。
スズキ・カタナ
「さっそくその友人とバイク屋に行き、そこでカワサキ・GPz750にひと目惚れ。
ハーフカウル仕様だったのに、カウルを外して丸目ライトにし、マフラーはKERKER(カーカー)の集合管に交換。卒業旅行に九州までツーリングしたりと5、6年乗りましたね」。
スズキ・カタナ
オフィスの一角には革のジャンプスーツやライディング用のライダーズジャケット、ブーツやヘルメットが置かれ、すぐにでもカタナとともに出かけられるようになっている。
その後、GPz750は1100モデルに買い替えられ、車体カラーはカワサキファンおなじみのライムグリーンだった。
ライムグリーンと言うと「ローソンレプリカ?」と思う方もいるだろうが、中村さんはウェイン・レイニー(WGPチャンピオン)が乗ったGPz750Fをイメージして、このバイクに手を入れていく。
「ツーリングはもちろん、通勤にも使ってものすごく気に入っていたのに、私が建築家として独立し、次第に仕事が忙しくなってなかなか乗る時間が取れなくなったんです」。
スズキ・カタナ
ノーマルではタンクのSUZUKIの文字が赤い。これを少しだけ小さくしてブラックにしたというこだわりよう。
そして、並行して所有していた、軽くて取り回しのいいヤマハ・TT250Rばかりに乗るようになり、いつしかGPz1100は車検切れに。しばらく休眠状態となった……。
「このTT250Rには長く乗りましたが、事業も落ち着いてきたので長く付き合える新しいバイクが欲しいな、と。
そんなとき、ホンダ、ヤマハ、カワサキと乗ったけどスズキは乗ってないと気づいたんです」。
それで、今も愛車のメンテナンスを行う長年の付き合いのバイクショップ店長にも相談したところ、“1100カタナ”の名前が浮上したという。


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