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「ちょうどタクシーアド(タクシーの座席に取り付けられたタブレットを使った広告)が出始めた頃、乗車して座席のスクリーンにCMが映し出されると『カメラで性別年齢を推定して最適な広告を流します』と書いてあった。
周囲は便利だと言っていたが、僕はその時、機械の世界では人を見た目の性別や年齢でしか扱っていないことに違和感を抱いた。実際、トランスジェンダーの友人も、『心は女性なのに髭剃りのCM出るのが引っかかる』と話していた」
 そうした体験から生まれた、AI認識から逃れるというファッション。
それは決してAIを否定するものではなく「選択の自由」を実験的につくることで、社会がAI監視社会について考えるきっかけを生み出すものだ。
「AIは学術研究の領域ばかりが急速に進んでいき、(AIを)作る側の理論で開発が行われている。
そこに社会の理解は追いついてない。本来は、『セキュリティーやプライバシーは守られているの?』という使い手の声にも耳を傾け、対話しながら作られるべきだ。
アンラベルドが、『私たちには監視カメラのある世界を選ぶことも、AIの世界を拒絶することもできるのだ』と、選択肢を考えるきっかけになれたら良い」
 
文=露原直人
記事提供=Forbes JAPAN


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