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■どんどん挑戦したくなる

「JNCC(ジャパン・ナショナル・クロスカントリー)というレースに、2015年から出場しています。最初は上から3番目のFCクラスに別のバイクで出場していました。
『早くFBクラスに昇格したい』と思って購入したのが、現在のヤマハ・YZ125X。参戦5年目、昨年やっと昇格してFBクラスになれました(笑)」。
ここで言う“クロスカントリーレース”とは、自然の地形を使って山の中を走破し、タイムを競うレースのこと。
耐久レースを総じてエンデューロと呼ぶが、モトクロスコースなど、すでにあるコースを使うものをサーキットエンデューロ、自然の地形を利用するものをクロスカントリーなどと呼ぶ。
シェルコ・ST250
クロスカントリーレース専用に購入したヤマハ・YZ125X。歴戦のキズがあちこちに見られるが、大事に整備されてい るのは見てすぐにわかる。
「FBクラスに昇格すると、今までのFCクラスのライバルとはまったく違う速さでした……」。
なぜなら、FCクラスからFBクラスに昇格できるのは、全8戦あるシリーズの最終戦終了時点でランキングトップ10以内の選手だけだからだ。
「周りが速すぎて、何かを変えないとダメだな……と思い、トライアルをやり始めたんです」。
シェルコ・ST250
ニット素材の EDWIN ジャージーズを履き、自分で塗装したスバル・サンバーに愛車を積む。高野さんいわく「カブと軽トラは大人の男の嗜みですよ」。
ちなみにトライアルとは、岩などで作られた難しいセクションを、バイクに乗ったまま足を地面に着かずに走破する競技で、バイクテクニックの向上には、このトライアルが効果的とはよく聞く話。
「最初は手持ちのバイクでやっていたんですが、トライアル専用バイクじゃないとできないことも多い。専用バイクは車重がとても軽くてバイクを操りやすく、低回転でエンジンがよく粘るからセクションをこなしやすいんです。すぐに専用バイクが欲しくなって、中古で程度のいい、このシェルコ・ST250を買いました」。
シェルコ・ST250
まだ半年ほどの付き合いだが、タイヤ外径を超える段差も軽く越えていく。
「スピード競技ではないのでケガのリスクも少ないし、まわりには結構年配の方も多い。 つまり、“一生付き合えるバイクスポーツ”だな、と感じました。
しかも、遅いスピードでも非常に楽しいし、難しい所を走破できた喜びなどを感じることもできる」。
シェルコ・ST250
トライアルをやるようになってから、いつも出ているJNCCレースでは、滑りやすいドロドロのマディコースの上りが 今までよりも圧倒的にラクに感じるようになったと言う。


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