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■経済的でリスクも低いから「いい歳して」ハマれる

シェルコ・ST250
シェルコ・ST250
メンテナンスは比較的簡単に行える。リアフェンダーがタイラップで取り付けられているが、これはバイクを投げてしまったときなどに、フェンダーが自然に外れることで損傷を抑えるために“ワザと”やっていること。
「スピードを競うレースは消耗品にお金がかかりますが、トライアルは本当に経済的。
タイヤは年に1回交換するだけでいいし、そもそもスピードが遅いので、チェーンやブレーキパッド、ガソリンもあまり減らない。ちなみにST250は整備性もいいので、練習後の洗車→メンテナンスが1時間くらいで終わります。
新車で買うと100万円くらいですが、トライアル遊びで知り合った方から極上コンディションのものを新車の半分以下で譲っていただきました。
オフロードは遅いスピードで楽しめるのも魅力のひとつですが、トライアルはさらに“遊び”の垣根が低く、すぐに友人ができるのもいいんですよ」。
シェルコ・ST250
自宅にはバイク専用のガレージがあり、整備に必要な工具はもちろん、スペアパーツなども確保されている。ほぼすべ ての整備を行える高野さんにとって、珍しいシェルコ・ST250 を養うことは難しいことではなさそうだ。
確かにオンロードバイクだと、そもそも“遊ぶ”という感覚はあまりない。お金を払ってサーキットを走るのは、金銭的に敷居が高く感じてしまうのも事実だ。
シェルコ・ST250を買ってまだ半年ながら、スピードを追求するレースとは、また違った方向の楽しみを知ってしまった高野さん。
「いい歳して……」と言われながらも難しいセクションに挑むおじいちゃんになった高野さんも、きっと今日と同じように、目の前のオフロードを笑顔で見つめているのだろう。
 
山中基嘉=写真 今坂純也=取材・文


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