OCEANS

SHARE

ベースも、車のカスタムも、同じこと

最初に手を加えたのは、フロントバンパー。「JK型のラングラーのバンパーって、たくさん出回っているんですよ。黒色で探してもめちゃくちゃカタチがあるんです」。

その中からどんなバンパーを選ぶか。ネットで探しているうちに「これは!」と思ったのは、たまたまデイヴィット・ベッカムさんが乗るカスタムラングラーの写真だった。

「このバンパーはいいなと思って、そこからメーカーを調べたんです」。

インチアップして太いタイヤを履かせただけでは、操縦安定性が悪くなる。そこでステアリングダンパー(写真のシルバーの器具)も装着。もちろん浜崎さんが自ら行った。


同じメーカーのサイドステップも探して、純正のハードルーフを幌に変え、ホイール&タイヤにフェンダー、ルーフキャリア、さらにフロント&リアのカメラ兼ドライブレコーダー……。すべて自分で取り付けた。

それどころかリフトアップも自分で、自宅の青空駐車場で行ったという。「これがいちばん大変でしたね」。いや、自分で車のリフトアップした人、会ったことがないんですけど。

「この車に乗っていると、ついイジりたくなるんですよ(笑)」。

自宅にはキャンプ道具一式の納まったヒッチキャリアもある。キャンプへ行くときは写真のヒッチ(リアの下部から出ているトレーラーなどを引くための三角形のパーツ)の先端を外して、そのキャリアを差し込めばすぐに行ける。


一度ハマると、とことんハマる性分。

職業であるベーシストも「趣味が高じて」だという。「中学生の頃に兄がギターをやっていたこともあり、何気なくベースに触れてみたのがきっかけでした」。ベースをやってみると、奏でるのがとても楽しい。あっという間にベースが好きになり「初めて『長続きしそうな趣味だ』と感じたんです」。

その直感通り、職業ミュージシャンの道へまっしぐら。ロックからポップス、ジャズまで幅広いジャンルでベースを弾く今日の活躍につながっている。

「ベースもラングラーのカスタムも趣味のひとつ」と言い切る浜崎さん。今年になってまたルーフラックとタープを備えた。

「まだ何かできることはないかと、探しているんです」というその顔は楽しそうだ。

幌を開けたかったので、ルーフキャリアはルーフを覆わないタイプを選んだ。フロントグリルやサイドステップと同じSMITTYBILT社製。


それだけ父親が楽しそうに車をイジっているとしていると、息子さんたちもこの車が好きでしょう? と聞くと「それが長男のほうは速そうなスポーツカーとかが好きらしいんです」と苦笑い。

好きなことをとことん突き詰め続ける。子供が大きくなったときにはきっと、その楽しさも難しさも、父の背中から学んでいることだろう。

前回の「俺のクルマと、アイツのクルマ」を見る
『ポルシェでキャンプに行く』遅咲きの車好きが乗り倒す2台の“911”を比較



鳥居健次郎=写真 籠島康弘=取材・文

SHARE

次の記事を読み込んでいます。