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乗るほどに愛着がわく車

最近は964の中古車は人気で、価格も高騰している。なかには投機目的で選ぶ人もいる。けれど津吉さんは走行距離も汚れも気にせず通勤やキャンプにガンガン使う。

2年ほど乗っているが、ここまで大きなトラブルなし。パワーウインドウの樹脂パーツが経年劣化で壊れたが、Amazonでその部品を購入し、自分で取り替えられたそう。


自身を「遅咲きの車好き」と評するが、知識の積み重ねてから入った車好きじゃないからこそ、愛でるのではなく、毎日使うことが「愛着」だと捉えられるのかもしれない。

991から始まったポルシェ沼は964、そして現在は996探しへとステージが移行している。
「実は最近、ホンダのNSXも気になっているんです。最近気づいたんですが、僕は真横から見て『あ、あの車ね』とわかる車を好きになるみたいです(笑)」。



真横から見ても誰もが「ポルシェ911」とすぐわかるデザインは、登場から現在に至るまで変わらない。そんな横顔美人に目をつけるなんて、やはりデザイナーだ。


2台のポルシェは「前の所有者から託されたモノ」と津吉さんはいう。

「車って、大切に乗ればもしかしたら自分より長生きするかもしれない。このポルシェも、前のオーナーから託されたものを今は自分が預かっている感覚なんですよ」。

前オーナーと同等かそれ以上の愛情を持って毎日のように使う。使い続けることで、時間が経っても車はいきいきとし続ける。

日々大きくなる津吉さんの「愛着」は、次に“預かる”オーナーにも、きっと受け継がれていくのだろう。



鳥居健次郎=写真 籠島康弘=取材・文

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