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2021.10.23

先駆者が語るVAN LIFEの魅力。乗る前に絶対に学ぶべきメリットとデメリット

「キャンピングカーのリアル」とは……
キャンピングカーにアメリカンなヴィンテージなんて……激シブで最高じゃないか。
一方で、燃費や操作性、費用など、気になることもある。そこで、ベテランからの金言を。
茨木一綺さん、美伽さん●10年ほど前よりデザイナーズユニット「シエルブルー」として活動。ウッドファニチャーを中心としたウッドクラフトからスタートしたが、一綺さんがもともとアメ車のメカニックを本業としていたこともあり、現在は車の内外装デザインから車輛製作も請け負う。ほか、アートディレクター、アウトドアコーディネーター、アウトドアイベントのオーガナイザーも務めるなど夫婦で幅広く活躍中。
夫婦二人で作り上げたキャンピングカーでの趣味を満喫し、VAN LIFE(バンライフ)の裾野を広げるべくさまざまな活動を続けるその道のパイオニア、茨木夫妻にご教示いただいた。

ひと味違う、洒落たキャンプ体験が実現

一般的に車(バン)を中心とした生活を指す“バンライフ”。その火付け役でもあり、パイオニアである茨木夫妻が現在、デザイナーズユニット、シエルブルーとして活動している。
彼らが製作するウッドファニチャーは目の肥えたキャンパーたちを唸らせ、キャンパーバンの製作やイベント、キャンプ施設のプロデュースなどなど、その活動は多岐にわたる。

そんなお二人がバンライフへと傾倒していくきっかけはなんだったのか。「以前はまったく知られていませんでしたね」と回想するのは茨木一綺さんだ。
「6年ぐらい前ですかね。友人がある一冊の写真集を見せてくれたんですよ。ポロ ラルフ ローレンのコンセプトデザイナーだったフォスター・ハンティントンが、2012年に『VAN LIFE(バンライフ)』というタイトルで出版した写真集。
彼が会社を辞めて、必要最低限の荷物を車に積みノマドな生活を始めたんです。その生活の中で撮影し続けた写真をまとめたもので、それを目にしたのが発端だったと思います」。

「車上生活ってアメリカでは当たり前なんですよ」と話すように、一綺さん自身、アメリカ大陸を車で巡った経験を持つ。そのため、フォスター・ハンティントンのライフスタイルやマインドにもすんなりと共感できた。
さらに、友人が見せてくれたオーストラリア人バンライファーの写真(車内を総ウッド貼りにしたハイエースのバンの写真)に魅了され、自らもキャンパーバンの製作を開始。アウトドアイベントにもバンライフ・スタイルでコーディネイトして出展するようになり、専門メディアの取材も受けるようになった。
「本格的な総ウッド貼りは友人の車を最初にカスタムしました。僕らのは、ついでみたいなものです。内側に木を貼るとなると、これが結構手間なんですよ」と苦笑する一綺さんだが、奥様の美伽さんは「それでも、徐々に出来上がっていく姿を見て愛らしく思いましたね」と言葉を紡ぐ。
そして今は、3代目のキャンパーバンとなる愛車、GMCのラリーSTX(通称シェビーバン)と共に日常を過ごし、趣味のキャンプも満喫している。


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