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ブームで終わるかカルチャーへ昇華するか


さて、キャンピングカーブームの昨今。その背景には自然共生があることはすでに述べた。そしてブームで終わるかカルチャーとなるのか、その分かれ道が近いうちに訪れるともいう。
「バンライフ的な世界的ムーブメントの後押しもあり、自由なライフスタイルを求めている人が増えているのだと思いますが、日本のフィールドには自然共生のしにくさを感じます。湖畔に泊まりたいけれど、最も自然豊かな湖畔のある国立公園には泊まれない。テントすら張れない。利用者のニーズにフィールドの整備が追いついていないんです」。
フィールドの整備が追いついていない状況が歪な光景を生み出しているとも。
「僕も高速のSA(サービスエリア)、道の駅をよく利用しています。そうするとモラル的にどうかなと感じる光景を目にすることがあります。SAのトイレで裸になって体を拭いていたり、道の駅の駐車場で椅子やテーブルを広げてご飯を食べる人も増えてきている。利用に関する規制を設ける道の駅もありました」。

ルールなどを設けてフィールドが整備されればブームはカルチャーとなりうるが、未整備のままならトラブルを生み出しブームはやがて終焉を迎える。
自然共生をより促す観点からも「国立公園のなかで泊まれるようになったらいい」と渡邊さんはいい、その国立公園は“保護から活用の時代に入った”と言われて久しい。目下過渡期にあるキャンピングカー。より楽しく自由な未来は、ユーザーのモラルと環境の整備が鍵となるようだ。
 
キャンピングカーのリアル●永遠の憧れ、キャンピングカー。あんな使い方やこんな使い方ができたら……と妄想が膨らむけど、燃費は? 維持費は? 運転は難しくないの? レンタルはどう? あらゆる角度で探った“キャンピングカーのリアル”。
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佐藤ゆたか=写真 小山内隆=取材・文


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