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2021.10.09

“数年後の普通”が見えた! 最新の国際展示会に現れたコンパクトカーの未来

EUを中心に電動化が急激に進むコンパクトカー。ただ、進んでいるのはそれだけではなかった。
9月の国際展示会「IAAモビリティ」で発表された、近い未来の車のスタンダードを覗いてみよう。

■ルノー メガーヌE-TECHエレクトリック

IAAモビリティで発表され、即日予約が始まった「メガーヌE-TECHエレクトリック」。2022年には発売が開始される電気自動車だ。
ルノー メガーヌE-TECHエレクトリック
手前がメガーヌE-TECHエレクトリック、その後ろがルノーの代表的なコンパクトカー、ルノー5(サンク)。新開発された薄いバッテリーを搭載することで全高を1500mmまで下げても室内空間を十分確保できたという。
日産と三菱で開発した新型の電気自動車用プラットフォームを使用し、バッテリーはいずれも街乗りには十分な航続可能距離300kmか470kmの2タイプから選べる。
しかし、このメガーヌE-TECHエレクトリック、ただ電動コンパクトカーというだけじゃない。
まずドライバーが近づいたらボディに隠れていたドアハンドルがスッと出てくる。その後シートに座るとメーターパネルやディスプレイが踊るように点灯し、ウェルカムミュージックが流れてくる。
またエンジンがない分静かな車内を活かして、独自の音響システムを装備。特にオプションで用意されているハーマン カードンの最高級サウンドシステムはコンサートホールのような音響効果を車内で楽しめるという。
Googleと開発した各種操作機能も備わる。エアコンやカーナビはもちろん、4つある車両特性モードも音声で操作。車載ディスプレイはタブレットのように操作できるのはもちろん、日々の使われ方を学習し、再生する音楽や目的地を提案してくれるという。
100%リサイクル素材でできたシート生地や、再生プラスチックが用いられたダッシュボードなど、車両の95%がリサイクルパーツを使用されている。電動化だけでなく、サステイナブル化も進んでいるのだ。
衝突被害軽減ブレーキを含む先進安全運転支援機能も進化。先行車に追従して車が加減速する機能は、地図データから速度制限やカーブの角度などを読み取り、それに沿った速度で対応する。
ほかにも下りる際に、ドアを開けると自転車や歩行者にぶつかると判断すれば警告してくれる。

価格は公表されていないが「メガーヌ」を名乗る以上、そう高くはならないと思われる。日本導入は不明だけど、代わりに日産や三菱マークを備えた、近しい電気自動車が現れても不思議ではない。
同時にお披露目された、サンク電気自動車のコンセプトモデル。詳細は未公開だが、メガーヌE-TECHエレクトリックよりコンパクトなカテゴリーで市販化が検討されているようだ。
もう一度言うが、メガーヌE-TECHエレクトリックはコンセプトカーではなく、来年発売される街乗り中心のコンパクトカー。
これまでにない技術や、高級車に備えられていたような先進技術も、今後街乗りクラスに備わるようになるってことなのだ。


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