波と戯れた海上がり、心地よく疲れた体には塩気の効いたスープが美味い。
老舗サーフィン専門誌『NALU』が手掛けた「Surf Soup(サーフスープ)」は、その名のとおり、“サーファーのためのスープ”だ。
このスープを開発したのは、料理家の花輪 翼さん。自身も元サーファーである彼は、サーフィンを楽しんだあとに飲みたくなるようなスープを目指したという。
スープはこちらのパウチ入り。7〜8分湯煎するだけで、プロ顔負けの本格スープが手軽に楽しめる。
値段は少々高めだが、肉や魚介、野菜たっぷりでボリュームや栄養価はともに高い。
味のバリエーションは5種類。そのコンセプトが、また面白いのだ。
世界でも指折りのサーフスポットをテーマに、各地に想いを馳せながらサーフトリップ気分が楽しめるようにアレンジ。言わばご当地スープである。
カルフォルニア・サンタクルーズ生まれの「チョッピーノ」は、かつてノースビーチに移り住んできたイタリア人漁師が考案したとされるスープ。
刻んだ魚や貝、エビなどのシーフードをふんだんに盛り込んだトマトスープで、チリペッパーの辛みとハーブの香りがあと引く美味さだ。
続いて、フランスはホセゴーから着想を得た「スープ・ド・ポワソン」。この地はヨーロッパ屈指のリゾートでありながら、世界有数のハードな波がブレイクするスポットとしても知られている。
たっぷりのシーフードと香味野菜を煮込んだスープは、現地のビストロでも定番として愛されている。
かなり濃厚なので、ガーリックトーストをスープにディップして食すのがローカルマナー。本場に倣って味わうのもいいだろう。
ペーストしたグリーンピースをベースにした、翡翠色が鮮やかな「パイフローター」。オーストラリアのベルズビーチ周辺の味を再現したものだ。
食べやすいサイズにカットされたミートパイがトッピングされており、旨味豊富なスープとの相性が抜群。
オリーブオイルや粗挽きこしょうをかければ、パンチのある味わいにアレンジできる。
2024年のパリ五輪でサーフィン競技の会場候補となっているタヒチからは、「フィッシュスープ」が登場。
魚介の旨味がたっぷり凝縮したスープに、じゃがいもやフェンネルで甘みと風味をプラス。そこへカレー粉を加えることで、南国の香り漂う、食欲をそそる一杯に仕立てた。
「カルディラーダ」はポルトガル屈指のリゾート、ナザレをイメージ。このビッグウェーバーたちの聖地で人気のスープは、魚介に野菜、トマトソースをじっくり煮込んだ、ポルトガル風ブイヤベースだ。
厚切りベーコンやイタリアンソーセージのサルシッチャ、大きめにカットした人参や玉ネギなど、ゴロっとした具材がたっぷり入っていて、食べ応えも満点である。
現地を訪れたことがある人なら、かの地に想いを馳せて懐かしい気持ちになれるだろうし、そうでない人でも、世界に散らばるサーファー御用達の味を楽しめるのはうれしい。
購入は『NALU』公式サイト、もしくはお取り寄せ食品専門サイト「オトリー」から。
温かいスープが恋しくなるこれからの季節、いつものカップスープも美味いけれど、ちょっと贅沢して本場の味を堪能してみるのも悪くないと思う。
[問い合わせ]
ピークス
https://funq.jp/nalu/surfsoup
外山壮一=文