通称“クンロク”と呼ばれる「Ref.96」がかつて腕時計の常識を変えたように、パテック フィリップ「カラトラバ」の歴史は革新の連続だった。
ウォッチズ & ワンダーズ 2021で発表された新作は、まさにそれを体現する傑作である。
伝説の「クルー・ド・パリ」ベゼルが待望の復活
不変のクラシックであると同時に、未来のタイムピースであること。これは1932年の誕生からパテック フィリップが守り続ける、カラトラバの本質だ。
カラトラバとしては2006年以来となる「クルー・ド・パリ」ベゼルを備えた新作は、18Kローズゴールドとホワイトゴールドの2種類があり、それぞれ文字盤の仕様が異なる。
現行のカラトラバで最も大きな39mm径のケースサイズを採用したモダンなスタイリングも出色だ。
ケースが拡大された理由は、今回新たに搭載した手巻きムーブメントにある。
その特徴は、厚みを抑えながらも、前作よりも大きな動力を生み出せることだ。事実、パワーリザーブは最小65時間と大幅に向上している。
つまり、最高峰の腕時計カラトラバは今年、“より実用に進化した”と言えるのだ。
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