ベースモデルとの比較でわかる進化の具合
では、ベースモデルと見比べてみよう。
それがこの1985年発表モデル「3919」だ。よく見ると、圧倒的な違いがあることに気が付く。その1つはダイヤルデザイン。
ブラック塗装のローマン数字を配していた“元ネタ”に対して、新作はファセット仕上げのオビュ(弾丸)型インデックス。
ドフィーヌ型の時針・分針は、初期のカラトラバから踏襲したものだ。そこへさらに、円周のシュマン・ド・フェール(レール)型分スケールが備わることで、優れた視認性を手にしている。
ラグの形状にも注目したい。
快適な装着感を実現するために、これまでの直線的なデザインと打って変わってカーブを取り入れた。
伝統の「クルー・ド・パリ」ベゼルの文脈から逸脱することなく、まったく新しいルックスを披露したパテック フィリップの卓越性は見事。進化し続ける定番、「カラトラバ」の真髄が現れた一本は、ツウ好みな傑作と言って問題ないだろう。
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