■アウディ 100/200アバント(3代目)
3代目アウディ100/200アバントのリアウインドウが大きく寝た形状は、メルセデス・ベンツをはじめとしたほかのドイツ車とは一線を画す大きな見た目の特徴。
今見るとクラシカルというよりは、レトロフューチャーな雰囲気が心をくすぐる。
また、当時あまり謳われていなかった空力特性、つまり空気の抵抗が少ないことを特徴として主張したのが3代目アウディ100/200だ。
空気抵抗が少なければそれだけ燃費も良くなり、スムーズな走行に貢献する。以降多くの車が負けじと同車の空力特性の数値を超えようと躍起になった。ツルンとした見た目は、この空力特性を高めるためのスタイリングでもあったのだ。
さらに同社独自の4WDシステム「クワトロ」を搭載したモデルも1985年に追加された。1981年から世界ラリー選手権(WRC)で活躍したアウディ・クワトロからのフィードバックだ。
このように3代目アウディ100/200は、テクノロジーによる革新性というアウディのイメージ確立に貢献したモデルだった。
■日産 セドリック・グロリアワゴン
角張ったデザインで今なお人気が高いのが、日産セドリック・グロリア(Y30型)ワゴンだ。
ラゲッジには折り畳み式のサードシートが用意され、一部グレードには当時のアメリカンワゴンのようなベンチシート&コラムシフト仕様や、ボディサイドにウッドパネルを備えたモデルもあった。
1983年にデビューしたY30型セドリック・グロリアは、現行型で言えば日産フーガの位置にあたる日産の最上級モデル。
そのため、かつての応接間のソファを思わせるような、フワッと沈むようなシートをはじめとした豪華装備を持ち、ラゲッジも国産車としては広々としていた。
セドリック・グロリアのセダンは1987年に次期型(Y31型)へとフルモデルチェンジしたのだが、バンとワゴンはそのまま1999年まで販売され続けた。
つまり約16年間も愛された超ロングセラー。あの頃憧れていたという人も、たくさんいるのでは!?
籠島康弘=文