新しいオイスターウォッチの台頭
製造施設の再編によって、 ロレックスは2000年代に入るとこれまで以上に、伝統的な時計製造技術と最先端のテクノロジーを融合させ、新たなオイスターウォッチを次々と発表していく。その一部を紹介しよう。
2007年、「
ヨットマスター II」の登場で、ロレックスはオイスターウォッチの機能にイノベーションを起こした。
レガッタ ・ クロノグラフのヨットマスター Ⅱ。ラグジュアリーな佇まいの独自路線を走る複雑機構。© Rolex/Jean-Daniel Meyerこの時計は、ロレックスが開発し、特許を取得したケースとムーブメントの相互作用システムであるリングコマンドにより、回転ベゼルとリューズを用いてカウントダウンなどの機能を操作できる、かつてない腕時計として話題を集めた。
水深3900メートル(1万2800フィート)までの防水性能が保証された「
ロレックス ディープシー」は、2008年に発表された究極のダイバーズウォッチだ。
2008年発表の初代ロレックス ディープシー。無類のスペックを誇る「シードゥエラー」の進化形だ。© Rolex/Jean-Daniel Meyer時計のケース内部に高性能耐圧リングが内蔵されているリングロックシステムというケース構造は、厚さ5.5mmのクリスタルとチタン合金製のバックケースにかかる巨大な水圧に耐える役割を果たす。
このモデルで初採用された高性能クロマライト ディスプレイには、従来と比べて最大で2倍長く発光するルミネッセンス素材が、アワーマーカー・針・回転ベゼルの12時位置のカプセルに埋め込まれている。
そして、複数の特許を出願したロレックスの技術力の結晶ともいえる
「スカイドゥエラー」の2012年のデビューは、我々に衝撃を与えた。
2012年に発表された初代スカイドゥエラー。フルーテッドベゼルを継承する高級機。© Rolex/Jean-Daniel Meyerこのモデルの革新性は、視認性と操作性に優れるデュアルタイムゾーン表示機能と、年に一度以外は日付調整が必要ない独創的な年次カレンダー「サロス」を兼ね備えていることにある。
革新的な独自システムであるリングコマンドを搭載し、フルーテッドベゼルを回すことによってカレンダー(日付と月)、ローカルタイム、基準時刻を選択し、リュウズで設定が行える。
今では500件以上の特許を取得しているロレックスの時計製造は、常に卓越性を追求し、絶え間なく進化し続けている。
そのDNAは今もこれからも、あらゆるコレクションに息づいているのだ。
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