「本当に使えるアウトドアスパイスは？」とは……スパイスブームによって、個性豊かなアウトドアスパイスが続々と登場している。
そこで
前回に引き続き、スパイス料理でビブグルマンも獲得した「スパイスカフェ」のオーナーシェフ、伊藤一城氏に、キャンパーから熱視線を集める4本のスパイスに星付けをしてもらった。
 | 伊藤一城
東京・押上にあるスパイス料理カフェ「スパイスカフェ」オーナーシェフ。「ミシュランガイド2016」でビブグルマンに選出。食をテーマにした世界一周の旅を行い、３年半で48カ国を巡る！ 世界各国で使われる多種多様なスパイスに精通。著書に「SPICE CAFÉのスパイス料理」（アノニマ・スタジオ）。来春にはアウトドア料理本も発売予定。ソロキャン好き。 |
星付けするのはコチラの4本！
よく見る顔からニューフェイスまで、まずは4本。最後には思わぬ刺客も待っている。4つの項目で星付け！
「オリジナル度」：星が多いほど独自性が高く、自分で味を再現するのが難しい。
「汎用度」：いろいろな料理に活用できるものほど星が多くなる。星が少なければ、使い道が限られてくる。
「辛み度」：そのものズバリ。星が多くなるほど辛くなる。
「粗挽き度」：星が多いほど、粗挽きに。粗挽き度が高いほうが、各々のスパイスの風味が舌に伝わりやすく、味にグラデーションが。逆に粒が細かいものは味が均一になる。
では早速、伊藤シェフによる星付けを公開しよう！
①老舗食肉店発！ “肉が喜ぶ”「お肉専用スパイス七代目こばやし」
「お肉専用スパイス七代目こばやし」777円（80g）／コバヤシ http://nikuno5884.sakura.ne.jp/創業明治5年の大阪の老舗肉屋が“本当に肉を美味しく食べるため”に本気を出して開発した肉専用スパイス。
ブラックペッパーやニンニク、ハーブなど10種のスパイスをブレンド。肉の臭みや雑味も和らげてくれるという。さて、伊藤シェフの評価は？
「胡椒と凝縮したチキンブイヨンの香り、醤油やニンニクの風味も。
食べると旨味がダイレクトに舌に乗っかります。これが肉に合わないわけがありません！」（伊藤シェフ）。
＜判定＞
「牛、豚、鶏、ジビエだって、肉ならこれ１本でOK」
オリジナル度 ★☆☆☆☆
汎用度 ★★☆☆☆
辛み度 ★★★☆☆
粗挽き度 ★★★★☆
伊藤シェフの総論
チキンブイヨンの香りが強いので、再現はしやすい。やっぱりコチラは肉にこそ合う味わいだから汎用度は★2。アウトドアでは、串刺しにして焼いた肉やスペアリブにがっつりかけて食べたい。生肉に揉み込んでもいいけど、僕なら焼き上がってから振りかける。表面にちょっと焦げがついた肉と、このスパイス。最高ですよ！
②第五の味覚“旨味”を極めた!?「ザ ウルトラ ウマミ スパイス」
「ザ ウルトラ ウマミ スパイス」918円（100g）／サーカス https://unfrm.jp/旨味の核となるグルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸、そしてパルメザンチーズや椎茸パウダーなど20種の原材料をブレンド。
旨味成分はがっつりだが、塩分は控えめなので、たっぷり振りかけてもギルトフリーなのがうれしい。オリーブオイルや醤油など、他の調味料とブレンドするのも人気だ。
「最初に感じるファーストアタックはチーズと胡椒なんだけど、次にバターのような風味がするのはチーズ由来なのかな。これは
なかなか複雑な味。洋風な旨味が強い」（伊藤シェフ）。
＜判定＞
「旨味の交響曲が鳴り響く！」
オリジナル度 ★★★☆☆
汎用度 ★★★☆☆
辛み度 ★★☆☆☆
粗挽き度 ★★★★★
伊藤シェフの総論
何が入っているのか分からない複雑な味で、再現するのはそこそこ難しい。４つの中ではいちばん粗挽き度は高いですね。チーズ味が強いので、カルボナーラに加えたり、オリーブオイルと合わせてパスタに絡めるだけでも旨いはず。サラダに振りかけるのもいいですね。イタリア料理がメインになると思うので、汎用度は★3。
2/2
