「黒瀬のスパイス」が20年以上も愛され続ける理由とは?
――最後は福岡の鶏肉専門店による「黒瀬のスパイス」です。伊藤 3本の中でいちばん、スパイスやハーブを感じますね。コリアンダーやマジョラム、オレガノ系の香りがします。
――結構、複雑な風味ですね。伊藤 あと
ほのかに香ばしい香りがするんだよなぁ。醤油を焦がしたものか、スパイスを乾煎りしたものか分からないけど。ただ、食べるとこちらも旨味が強い。ほりにしと同じブイヨン系の旨みですね。
判定! 伊藤シェフがジャッジした「黒瀬のスパイス」の味は?
「ブラックペッパーの刺激と醤油の旨味がクセになる!」
伊藤 ブラックペッパーと醤油が結構効いているので、
少しさわやかテイストの醤油だと思って使うといいですよ。
後味はすっきりしているので、こってりとした食材と相性抜群。例えばバターと合わせてバター醤油風にしても面白いでしょう。
――バター醤油! これは誰でも大好きな組み合わせですね。伊藤 椎茸とししとうのバター焼きがおすすめです!
「椎茸とししとうのバター焼き」(2名分)の作り方
【材料】
黒瀬のスパイス 小さじ1/2
椎茸 大きめ4個
ししとう 5本
レモン 1/4個
バター 25g
【作り方】
1 フライパンにバターを入れて弱火にかけ、溶けたところで、1/4にカットした椎茸を加えて、弱火のままじっくり炒める。
2 椎茸が少し炒まったところで、ししとうを加えてさらに炒める。
3 「黒瀬のスパイス」を加えてさらに炒め、焦げ目がついたら、レモン汁をかけて完成。
――バターとスパイスってこんなに合うんですね!伊藤 旨味と胡椒のスパイシーさがまろやかになりますよね。これも焦げ目をつけて、メイラード反応を起こすのがポイントです。
◇
スパイスセンサーを舌に持つ、伊藤シェフによる各スパイスの味わい分析は、一般人では到底導き出せない奥深いものだった。
また、どの料理も簡単でいて、普通の調味料ではなかなか実現できない味ばかり。大人気のスパイスゆえに同じ味ばかり……とならないよう、伊藤シェフのアドバイスを参考にしながらワンランク上のキャンプ飯をレパートリーに加えてみよう!
林田順子=撮影・取材・文