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現在の理想を詰め込んだ「GAKU号」

現時点でのハイライトはGAKU号を製作したことだろう。THE DAYツアーでも使用した1台であり、一般社団法人日本カートラベル推進協会/株式会社イノベントが主催する車と旅の祭典「カートラジャパン」のアンバサダーに就任した際の副賞として製作したものだ。
「カートラジャパン2019」でアンバサダーを務めたGAKUさん。その際に製作したオリジナルバスコンGAKU号がコチラ。キャンピングカービルダー「トイファクトリー」のスペシャル仕様だ。
「僕が毎年ライブツアーで使っていたことから声をかけていただき、『オリジナルのキャンピングカーを作りましょう』となりました。ベース車はトヨタのコースター。バスコンと呼ばれるタイプです。
いちばんのこだわりは車内を総ヒノキにしたことで、環境への配慮から間伐材を使っています。高級感があり、温もりがあり、車内に入ったときの香りもいい。楽器を演奏したときには程良く音を吸収してくれます」。
内装はすべてヒノキでオーダー。温もりがあり、落ち着く香りも漂っていたとか。
ツアーに出るのは男4人。男世帯ゆえベッドも工夫した。
「通常はダブルベッドを2つ備えているものですが、僕らは男だけでツアーに出るのでシングルベッドを4つにし、左右のベッドの位置もずらしました。起床したとき、髭面の顔が目に入るのは避けたいですから(笑)。おかげで目覚めはいつも快適です」。
各ベッドはカーテンを閉めればプライベート空間の確保が可能に。読書灯、電源とUSBのコンセントも備わっている。さらに車内には冷蔵庫や電子レンジ、ガス台にシンク、エアコン、テレビもある。エンジンを止めていても使用できるのは、屋根にソーラーパネルを設置しているためだ。
ベッドは左右の位置をずらすことで、同乗者同士の干渉を和らげた。
シャワールームは設けず、代わりにギターなどを収納するスペースとした。車の最後尾にはドラムセットや電子ピアノがスッキリ収まり、PA機材や物販アイテムの積載スペースもある。いつも楽器がそばにあるため、野営地到着後は毎度のようにビール片手のセッションに。もちろん眠くなったら、そのまま“ベッドにゴロン”である。
話しを聞くほどに、打ち上げたらホテルの部屋に戻り、翌朝は次の街へそそくさと移動していた頃と比べ旅の濃密度がまったく違うことがわかる。
それでいてGAKU号はディーゼルだから燃費もリッター約10kmと悪くない。普通免許で運転でき、8ナンバー扱いのため車検は普通自動車より安く抑えられる。キャンピングカーでの旅はいいことづくめ。やめられないわけである。


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