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キャンプも車もスマート化

子供の頃からジープなどの軍用車が好きで、最初に買った車はジープのグランドチェロキー。その後もラングラーなどを乗り継ぎ、現在は2004年式のメルセデス・ベンツGクラスのほか、「CJ」という最初期のジープを2年ぐらいかけてレストアし、その2台を乗りわけています。
タフなオフローダーが好きな私ですが、EVはこれからのキャンプライフにおける重要なプロダクトになると思っています。
「火を熾すのが楽しい」というのはもちろん相変わらずありますが、それと同時に、LEDのランタンやIHのポットなどを使うキャンプスタイルも昨今では多くなり、“スマートキャンプ化”は、それはそれで面白いとな思います。面倒を楽しむことがキャンプの魅力でもありますが、もっとエコにスマートに。そんなフェーズにもう入っているのではないでしょうか。
その意味で、メルセデスのEQAには大いに注目しています。航続距離は十分ですし、12VやUSBの電源ソケットもキャンプ場では重宝するはず。そして何より「メルセデスのBEVである」というのが魅力です。
これはステイタス性云々という話ではなく、メルセデスは車としての基本性能がすごく高いと感じています。それはBEVでも同じで、とにもかくにも車として信頼できるんです。
デザイナー的視点でEQAを見ても、洗練されたデザインで気分がアガる、魅力的なプロダクトだと思います。
デザイナー/サンセットクライマックス代表
浦田孝典
建築および空間、プロダクトデザイナーとして活躍する傍ら、2014年にアウトドアギアのガレージブランド「sunsetclimax」を立ち上げる。ブランドの象徴であるタープの美しさは抜群。
 

これくらいがちょうどいい

そもそもピュアなBEVに長い航続距離を求めることが間違っていると思うのです。すべての内燃機関の代替品となるまでにはもう少し時間がかかる。特にバッテリー技術のブレイクスルーが必要でしょう。
たとえ長い距離を走れたとしても、すぐに帰って来れないんじゃ話にならない。東京から京都まで充電なしで走ったとしても、一晩充電しなきゃ同じようには帰れないんですから。ということはつまり、今のBEVは“ちょっとその辺りの用事”用としては重宝する、と言わざるを得ません。
でも、それで十分なはずなのです。皆が皆、そんなにいつも遠出するわけじゃない。一日に200km以上必ず走るなんて人、そう多くはないでしょう?
何が言いたいかというと、今、どうしてもBEVを買いたいというなら小さい車にしておきなさい、ということ。例えばこのメルセデス・ベンツのEQAのように、カタログスペックで航続距離が420kmちょっとというモデルでいいのです。街中をちょこちょこと乗り回すには最高ですから。
GLAのBEV版というわけですが、重くなったわりに持ち味の小気味の良さはまるで失われていません。むしろ電気モーターの力強さに当惑してしまうほど。不用意に加速すると、隣に乗せた友人から文句が出ました。それぐらい力強い。
私が試乗した車にはAMGのホイールがおごられていましたが、上手に履きこなしているなという印象でした。
モータージャーナリスト
西川 淳
フリーランスの自動車“趣味”ライター。得意分野は、スーパースポーツ、クラシック&ヴィンテージといった趣味車。愛車もフィアット500(古くて可愛いやつ)やロータス エランなど趣味三昧。
 
谷津正行、高村将司=文


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