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2021.08.17

時計

1/100万秒まで計った東京五輪の舞台裏。競技を面白くした「オメガ」の活躍

TOKYO 2020 オリンピック。
すべてが異例ずくめのなか、自らを磨き上げ、ほんの僅かな時間差でしのぎを削るアスリートの記録を、我々は当たり前のように目にし、それに感動していた。

瞬時に表示される順位や、誤差なく計測されるタイム、スピード、高さ……。そこには、時計界の“トップアスリート”であるオメガの、オリンピアン並みの努力と工夫の結晶が注ぎ込まれていた。
 

かつてより10万倍の精度を持つタイム計測

都内某所の沿岸に建てられた「オメガ ショーケーシング」。そこではまず、オメガとオリンピックの歴史が出迎えてくれた。
オメガ ショーケーシング
ドラマの裏側に迫るべく、今回はオリンピックのオフィシャルタイムキーパーを務めるオメガの展示施設「オメガ ショーケーシング」に潜入。
オメガが初めてオフィシャルタイムキーパーとなった1932年のロサンゼルス大会から今大会までの進化の歴史が、タイム計測に使われた道具とともに並ぶ。
1932年に初めてオメガが使用したクロノグラフウォッチ。ストイックながら美しい佇まいだ。
では、今から約90年前に行われたロサンゼルス大会では、実際にどんな道具が使われていたかご存じだろうか? 答えはズバリ、ストップウォッチ。
オメガのエンジニアが徹底的に調整した30個のストップウォッチを携えてスイスからロサンゼルスへと赴き、審判に手渡したのだ。
デジタル計測技術が導入される以前は、ゴールにランナーの数だけストップウォッチを持った審判を配置し、それぞれの選手のゴールの瞬間にタイムを止めていた。
当然ながら精度は抜群で、1/10秒単位まで正確に測定可能。中間タイムも記録できるヌーシャル天文台認定のクロノメーターは、各所から大絶賛を浴びたそうだ。
……ん? 1/10秒? そう、当時はこれが最先端。ちなみに、現在のオメガ製最新タイマーでは実に1/100万秒まで正確に計時するから、その精度の“記録”は、当時から10万倍進化していることになる。


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