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音速の誤差も許さないオメガが目指す、“計る”の最先端

お次はその“最新系”を体感すべく、TOKYO 2020で実際に使われている機器を設置した陸上の擬似トラックへと移動。
実際の短距離トラック競技で使用されるスターティングブロックが設置されていた。
選手はスターティングブロックに足をかけ、ピストルの合図でスタートし、ゴールを目指すわけだが、この数秒の流れの中にはたくさんの驚きが潜んでいた。
スタートの合図に使われるピストル。そう言えば、いつからか運動会でも見慣れた「火薬式」じゃなくなっていたような……。
まずはピストル。
オメガが誇る最新型は、ピストル本体からは音が出ない。なぜなら、音の伝達速度によってピストルに近い選手と遠い選手との間にわずかながら時差が生まれるから。ゆえに最新版は電子式。
引き金を引くことで各選手のスターティングブロック後方にあるスピーカーから音が“再生”されるのだ。と同時に、電子ピストルの作動によってスタート信号が計時装置へと発信。スタートからゴールまで、一貫性のある正確な測定を実現している。
すべてのブロックの後方に、スピーカーが設置されている。
スターティングブロックもオメガ製で、内蔵センサーが圧力を感知。圧倒的な感度と精度を持ち、フライングを探知する。
ゴールラインの両端に設置されているのが「フォトセル」。写真上部の赤いカメラが「フォトフィニッシュカメラ」。
トラックのゴール地点に待ち構えるのは、2段構えの計測機器だ。昔でいう“ゴールテープ”の代わりとなるのが、光線を放射するフォトセル。
先頭の選手が光線を通過すると、そのタイムが瞬時に記録される。ただし、これはあくまで暫定タイム。正式タイムは、ゴール地点を見下ろすフォトフィニッシュカメラが担当するのだ。
コチラが「フォトフィニッシュカメラ」。ちなみに、一般的なビデオカメラで1秒間に30コマ(枚)程度の撮影を行う。
仕組みはこう。1秒になんと1万枚もの画像を撮影し、そのスリット状のデジタル写真を即座に合成。
写真をもとに選手の胴体がゴールをくぐった瞬間を審判が厳密にジャッジし、公式な順位とタイムを決めるのだ。


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