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■マツダ「ルーチェ」

マツダ ルーチェ
ルーチェ
マツダのフラッグシップとして1986年に登場した5代目ルーチェ。
フロントグリルやCピラー(リアウインドウを支える柱)の形状など、随所に当時のメルセデス・ベンツの190EやEクラスを想起させる部分があったことから「広島ベンツ」と言う人もいた。
ロータリーや3LのV6などエンジンのバリエーションは豊富だったが、デビュー時点はまだ昭和時代だったこともあり、5ナンバーサイズのセダンとハードトップの2種類のみ。
直線基調で凹凸の少ないボディは、現在の流麗なフォルムの高級車とは違う気品を感じる。
1991年、3ナンバーボディで曲線を活かしたデザインのセンティアに道を譲る形で「広島ベンツ」の販売は終了した。
 

■スバル「レガシィ」

スバル レガシィ
レガシィ
それまでのレオーネに変わり、1989年に登場した初代レガシィ。5ナンバーサイズのボディに、スバル独自の水平対向エンジンとフルタイム4WDシステムを搭載した。
あっという間に人気を得たが、その人気は当時のレジャー需要を受けて、ステーションワゴンのほうに集まった。
しかしデビュー前に10万km耐久走行における平均速度223.345kmという当時の世界記録を樹立したのはセダンであり、WRC(世界ラリー選手権)で三菱やトヨタ、フォード、ランチアなどの競合を抑えて優勝したのもセダンだ。
フロントからリアにかけてV字を描くようなフォルムやリアのウイングは、セダンながらしっかりとラリーを闘うスポーツカーの矜恃を感じる。
WRCの道はその後インプレッサへと引き継がれ、以降のWRC全盛時代を築くことになる。そんなワゴンの影に隠れた薄幸の名セダンだ。
 

■三菱「ディアマンテ」

三菱 ディアマンテ
ディアマンテ
トヨタでいえばクラウンは社長が乗り、マークIIが部長、コロナが課長、なんてカテゴリーがはっきりあった昭和と平成の端境期。
マークIIは5ナンバーサイズを守っていたのだが、そのマークIIのライバルとして登場したディアマンテは、そんなの関係ねぇとばかりに3ナンバーサイズで1990年に現れた。
しかもMICS(三菱インテリジェントコックピットシステム)やMMCS(三菱マルチコミュニケーションシステム)など当時の“ハイテク”(もはや死語?)満載だったことや、当時のBMWに似たスタイルが受け、大ヒット。
しかし2代目で失速し、2005年に販売を終了した。ちなみにディアマンテの英字表記は「DAIAMANTE」で、スペイン語でダイヤモンド(三菱の商標はスリーダイヤモンド)を意味する。
 
籠島康弘=文


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