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オールドスケーター風で魅せるバギーズの最適解

実を言うと、三浦さんのワードローブに黒は珍しい。馴染みのある色で、しかもシンプルなデザインだからこそ、着こなす際には周囲のアイテムで“クセ”をつけたいと三浦さん。

「派手な色をほかで使ってみたり、オールドスケーターっぽい感じやゴリゴリのアウトドアっぽい雰囲気に合わせることが多いですね。言い変えれば、それらを受け止められる一本なんだと思います」。

今回トップスに合わせたのは、かなり年季が入ったスケートT。
「昔からステューシーやサンタクルーズなどのTシャツは結構持っていて、今日は中でもお気に入りのインディペンデントの’90年代初期の一枚に合わせてみました」。

足元は、オールドスケーター風に、ハイカットのラインソックスや派手めなコンバースのオールスターを選択。さりげなく色を合わせるあたりは、さすが。
なぜ、バギーズに黒を選んだかは自分でも不思議と語る三浦さん。ただ、バギーズの良さに気づいた今、次はサーモンピンクや柄物に照準を絞っていると買い足しに前のめりだ。

こんなパタゴニア ショーツも見せてもらいました!


「付き合いで言ったら、こっちの方が古い」と語るのが、先の話題にも出てきたスタンドアップ・ショーツ。パタゴニアのウェア部門は1973年からスタートするが、当時から今の今までカタログに掲載され続けている大定番である。
パタゴニアの創業者、イヴォン・シュイナードが仲間たちと鍛冶場で物作りに励んでいた際、はいていたワークパンツに着想を得て生み出したとされている同作。作り上げた肉厚なキャンバス地の一本は触れなくとも自立するほどに強靭だったことからそう名付けられたエピソードは有名である。

「これはずっと好きでカラバリ、または年代別で何枚か持っていました。これがいちばん古く、’70年代のアイテムですね。しかも、サイズがぴったり合うのはなかなかないので、ちょっと手放せないです」。
特徴的なのは、ヒップの生地の上からさらに大柄な生地を貼り付けることでポケットを作るとともに耐久性もアップさせたバックポケット。ワークパンツのダブルニーと似たような構造のこちらもまた、三浦さんを惹きつける誘引である。
今となっては廃盤となってしまった5インチ丈で、余計に稀少価値が高まったこの一本だが、「でも、今はくなら機能性や気楽さも考えるとバギーズですね」。
リラックス感たっぷりのはき心地に加え、場所を選ばない高い汎用性を知った今、もはやバギーズの渦から抜け出せそうにない三浦さんだった。
 
恩田拓治=写真 菊地 亮=取材・文


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