OCEANS

SHARE

【写真14点】「100万km以上走っているワーゲン・ビートル」の詳細写真をチェック

ビートルは、自分の一部

アーティストのヒロセガイさんにとって、この1974年式のビートルは自分の一部でもあるという。

ビートルの屋根に大きな丸太などを載せて移動する姿そのものが、アーティストとしてのパフォーマンスであり、この車で全国の芸術祭に出掛ければ「あ、ヒロセガイさんがいる」となるからだ。

このビートルと同じく1974年生まれのヒロセガイさん。出合ったのは芸術大学に通っていた19歳の頃。
gal_DSC5636
gal_DSC5642
gal_DSC5640
gal_DSC5649
gal_DSC5673
「大学の近くのスクラップ屋みたいな中古車販売店で見つけたんですよ。よく車を高いところに上げて看板みたいにしているお店、あるでしょ? スバル360と一緒にこの車が上げられていたんです」。

それを見てすぐに「1974年式だ!」と分かったという。「バンパーとかウインカーとか、まぁいろいろ違うんですよ」。ビートル好きはそういった細かな違いから瞬時に年式までわかるようだ。

「前に信号待ちをしていたら、バイクに乗ったアメリカ人がスーッと横に並んで、声をかけてきたんです。窓を開けたら『1974年式か?』と聞かれたので『そうだ』と答えると、ニヤリと笑って親指を立てていました(笑)」。

自分で車検を取ることを条件に格安で購入した1974年式ビートル。それから約30年近く、この車ひと筋だ。

アーティストとして全国の展覧会を駆け回り、最近は月1回以上東京と大阪間を往復しているため、既に100万km以上は走っているという。

「メーターは10万kmでゼロになるのですが、それを10回数えました。購入前は知らないので、それ以上走っていることになりますね」。

フロントフードのエンブレムが外れたので、手持ちのオブジェをはめてみたら、ピッタリはまった。

東京と大阪を往復するようになったのは10月1日〜31日に墨田区向島で行われる予定の芸術祭「すみだ向島EXPO 2021」の準備のため。

「もともと向島の界隈は若いアーティストが多いんです。家賃が安くて、しかも内装を自由に変えたりできる。僕も古民家を一軒借りて、作品としてネパールレストランに改装しました」。

昨年も行われたすみだ向島EXPO。コロナ禍で地方に移動できないアーティストが、ならば自分たちが住む東京でやろう、ということがスタートのようだ。



3/4

次の記事を読み込んでいます。