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ミニの次は、ビートルズのツアーバン!

パブ同様、ミニ・トラベラーも阿部さんはDIYでキッチンカーにした。もちろん保健所の審査も通った。思惑通り「何これ?可愛い!」と人が集まっている。

「凝り性なので、あれこれ仕様を整えているのですが、リプロダクト品が嫌いで(笑)」お金はかかるが、これも客寄せのためと、少しずつステアリングやブレーキランプ、フォグランプ、フェンダー……と変えている。

そんな夫を阿部さんの妻はどう思っているのだろう。「実は妻がこの車を気に入ってしまい、運転したいと今免許を取りに行ってます」。

営業中の阿部さんはこんな感じ。


キッチンカーとして使うのは土日がほとんど。平日は彼女を教習所まで送り迎えしたり、好きなDIYのためにホームセンターへ行くなど普段使いしている。しかし、さすがにこの小さな車の中でずっとお酒を販売するのは体勢的にキツいらしい。

「腰を痛めそうなのと、あと屈んで作業をするのでお客さんの顔がよく見えないんです。だから常連さんが来ても、声をかけてもらえないと気づかないし、気づいてもその人の目を見て挨拶しようとすると、かなり大変なんです」。

車高が低いため、後続車からブレーキランプを見落とされやすい。そのためボディ後方の上にかわいいブレーキランプを備えた。


そこで阿部さん、またも動いた。

「キッチンカー商売を1年やってみて、ある程度自信が生まれたこともありますが、もう1台買いました」。え? 買いますじゃなく、買いました!?

「ビートルズが初期の頃に、ツアーバスとして利用したルーツ社のカマーという商用バンがあるのですが、それをインターネットで見つけてイギリスから輸入しました」。何でも取材日の翌日に横浜へ上陸するのだという。モーリスのミニ・トラベラーキッチンカーはスタッフに任せて、今後は2台体制に。

着ているのは自身のブランドのアイテム。Tシャツはクラウドファンディングの際に作ったお礼のTシャツだ。


阿部さんにとって、車に乗ることやカスタムすることは仕事でもあり趣味でもある。自身も認める凝り性な性格は、今後もどんどんミニ・トラベラーとの関係を深め、自分とお客さんを喜ばせていくだろう。

そして今頃は、新しいカマーのキッチンカーも東京のどこかで見かけることができるかもしれない。「ミニ・トラベラーもカマーもちょっと気になるな」と思ったら、彼のインスタグラムをチェックしてみて。



鳥居健次郎=写真 籠島康弘=取材・文

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