裾はチェーンステッチが絶対とか色はオレンジがいいとか、デニム好きは何かとステッチにこだわる。
しかし、「そんなもん古いぜ!」と言わんばかりの新顔をヴェイランスで発見した。
昨年、ヴェイランス初のデニムとして発売された「CAMBRE PANT」シリーズで、こちらは8月中旬に発売予定の新モデルだ。
ご覧のように、真っ黒。通常はあるステッチが……ない。そもそも縫製すらしていないところも。
どういうこと? と“裏の顔”を見てみると。
こういうことである。縫製とシームテープの処理によって、ステッチを極力見えにくくしているのだ。
ちなみに、シームテープは雨の侵入をシャットアウトするだけじゃなく、ステッチによる肌当たりを軽減してくれるスグレモノ。
実際にはいてみるとこんな感じだ。人間工学に基づいた3Dパターンはヒップに余裕を持たせたテーパードシルエットで驚くほど動きやすい。近未来的な雰囲気すら漂わせる。
ディテールにもこだわりが満載だ。
例えば、この黒い生地は12オンスの日本製デニムを使用。
たて糸をコットン、よこ糸を中空糸のポリエステルにすることで、軽いはき心地を実現している。
また、このよこ糸まで黒く染める(通常デニムはよこ糸が白)ことで、深い色味となっている。
さらにフロントボタンはスナップ式で表に見えるリベット類はなし、ベルトループはナイロン製、L字型ポケットは手を入れやすいように低めに設定されている。
先端技術を取り入れ、近未来的な姿へと進化したヴェイランスのデニム。ステッチにこだわりを持つ人も、随所に施されたギミックに膝を打つはずだ。
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