OCEANS

SHARE

ウォルター・ラム パティオ ダイニング チェアー


「横に張られたコードとブロンズの組み合わせが、ハワイのトロピカルな気候によく合っています。デザインの誕生も、その後の歩みもハワイにちなんでいるんですよ」とデイビーさんは語る。

というのも、第二次世界大戦後、ウォルター・ラムがブロンズと銅の管をパールハーバーに停泊中の海軍の船から回収したことから始まったのだ(ウォルター・ラムの作品とする一方で、大学在学中にラムの下で働いていたキップ・スチュワートが元々のデザインを起こしたという説もある)。
「特にこの椅子は、今は廃墟ですが、ダイアモンド・ヘッドの足下、ゴールドコースト沿いにあったホテルのものだったんです。1950年代から1960年代はありふれた家具でしたが、徐々に貴重になっていき、今では高い値がついています」。

リス


このローズウッドの椅子は通称「リス(Lis)」といい、ニールス・コフォードが1960年代に家具工房コフォード・ホーンスレットのためにデザインした。
注目すべきディティールは、アームレストが横向きの背棒に向けて伸び、包み込むように湾曲しているところ。
「実際には1960年代にデザイン、製造されているのに、1900年代初頭に起こったアールヌーボー運動を思わせる有機的な形状をしているのがお気に入りのポイントです。
きちんとしたダイニングにはもちろんのこと、彫刻的な美しさを放つ椅子としてほかの家具のアクセントになるので、どこに置いてもいいと思います」。

モデル 79


1960年代にニールス・オット・モラーがデザインし、デンマークのモラ―・モベルファブリックが製造。フォーマルなダイニングにも最適だが、背が低いので前述の「リス」チェアより幾分カジュアルだ。
「背もたれが完璧な弧を描き、ペーパーコードが布地には出せないハンドメイド感を醸し出しています」さらに、「シンプルな外観ですが、きわめて座りやすい椅子ですね」とデイビーさんは続けた。
 
 
リサ・ヤマダ-ソン=文 ジョン・フック=写真 翻訳=上林香織
This article is provided by “FLUX”. Click here for the original article.


SHARE

次の記事を読み込んでいます。