⑤ アウトドア愛好者の最適解
実はⅡ、Ⅴ、Ⅶと、20年以上ゴルフを乗り継いでいます。生粋のフォルクスワーゲンユーザーなんですよ。
ゴルフは、そのサイズ感以上の大きな車に乗っているような安心感があります。硬めの乗り心地や高速走行時の安定性。週末はたいてい郊外で過ごすライフスタイルなので、何より長距離移動が楽な車がいい。それでいて街でも運転しやすいコンパクトさ。ゴルフは、今の僕に本当にマッチしている車なんです。
とはいえ、諸事情がクリアできれば大きいサイズの車が欲しいのも事実(笑)。今回のパサートには、勝手ながらとても期待しています。
まず6速AT→7速ATへの変更。絶対的に走りが良くなっているはずで、そこがいちばんの魅力ですね。また世界的にどのメーカーも電気自動車へとシフトしていますから、このパサートが「最後の純粋なディーゼル車」となるかもしれません。そういう意味でも貴重な車なのでは。
車の乗り味と環境問題の両方を考慮すると、今個人的には「ディーゼルと電気のハイブリッドが最強」だと思っています。もしハイブリッドモデルが出たら、ゴルフから乗り換えてしまうかもしれませんね。
コストパフォーマンスが高く質実剛健。道具としては申し分なく、これ以上アウトドアに適した車はそうないと思います。多くのアウトドア愛好者にマッチする一台だと、僭越ながら確信しています。
| 「ザ・ノース・フェイス」プレス リーダー 宮﨑 浩 サーフィンから登山まで、あらゆるフィールドでのアクティビティを実践するアウトドアマン。スケート、スノーボードの“横乗り歴”は実に40年に及ぶ。サーフボードは中積み派。 |
⑥ 現代SUVの始祖!?
SUVの始祖は何か? ジープのワゴンという説や初めてSUVと名乗ったジープ チェロキーという説、さらには日本のスバルも量産初の乗用車4WD、レオーネをかなり早くに出していたぞ、など諸説あります。
1970年代後半に登場したAMC イーグルなどはワゴンとクロカン4WDのクロスオーバー(=ステーションワゴンSUV)として今日的な意味でのSUVの始祖だったという説も有力。つまり、車高をひょいと上げたワゴンこそ現代SUVの始まりだった、と。
それが室内をだんだんと広げ、今じゃ背の高いSUVのほうが主流になった。でも本当に使いやすいという意味ではセダンのように距離の長短を問わず便利に乗れて、クロカン四駆のように道を選ばない元祖=ステーションワゴンSUVのほうがベターだと思うのです。このパサート オールトラックのように。
前置きが長くなりましたが、とにかくでっかいSUVに押されて今じゃドイツの数ブランドと日本のスバルくらいしか造っていないカタチだから、今乗ればかえって注目を浴びそうです。
なかでもVWにはゴルフとパサートにこのカタチがあって、大きいほうのパサート オールトラックは荷物がたっぷり積めるミッドサイズの正統派ステーションワゴンがベース、というところがウリ。快活で燃費に優れたディーゼルターボで長距離にも最適。
アウトドアライフでオフロードを走る機会も増えそうな昨今、人とは違う“SUV”はいかが?
| モータージャーナリスト 西川 淳 フリーランスの自動車“趣味”ライター。得意分野は、スーパースポーツ、クラシック&ヴィンテージといった趣味車。愛車もフィアット500(古くて可愛いやつ)やロータス エランなど趣味三昧。 |
加瀬友重、髙村将司=文