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2021.07.15

現代SUVの始祖!? 6人の車好きが抱く“パサート オールトラック”の魅力

ゆったりとした乗り心地と広い室内空間を備えた「フォルクスワーゲン パサート オールトラック」。
長距離ドライブで真価を発揮する快適な乗り心地や、ドイツらしいシンプルで機能的なデザインなど、長く乗りたいと思わせるこの一台を識者たちはどう分析するのか。

VOLKSWAGEN PASSAT ALLTRACK
フォルクスワーゲン パサート オールトラック
パサート ヴァリアント(ステーションワゴン)をベースに、車高を25mmほど高くしたクロスオーバーモデル。
このたびマイナーチェンジを受けて大きく変わったのはインテリア。ステアリングホイールの中央にあるエンブレムは新デザインになり、またエアコンの操作パネルもタッチパネル式となり、より洗練された印象になった。
パワートレインは2L直列4気筒のディーゼルターボのみで、駆動方式も「4モーション」と呼ばれるフルタイム4WDのみの設定となる。全長4785×全幅1855×全高1535mm 552万9000円〜。

① 嘘のない適正感に惚れてます

これまで、ずっとドイツ車に乗っています。最初がBMW 3シリーズ、次にフォルクスワーゲンのジェッタ、その次が初代アウディA6 オールロード クワトロ、そして今乗っているのが、2代目トゥアレグ。個人的には、ドイツ車のしっかり感が好きなんです。スタイリングのテイストやキャラクターから、アメ車や旧車に乗ってそうに見られがちなんですけれどね。
歴代愛車の好きなところは、質実剛健で、クオリティと価格に嘘がない適正な感じ。特に10万km以上ともにしたA6 オールロード クワトロは、もっと長く乗りたかったほどです。そのしっかりした乗り味に近かったのが、トゥアレグでした。選んだブラウンのボディカラーもほかにはあまりなくて気に入っています。
フォルクスワーゲンは、オーセンティックなんだけれど、カジュアルな印象。メルセデス・ベンツやBMWのような、きらびやかさはないけれども、少し色気がある。その辺のバランスもいいですね。
パサート オールトラックは、好きだったA6 オールロード クワトロと同じ腰高ワゴン。このアウトドア風味がいいですね。
職業に寄せるわけじゃないけれど、洋服に求めるものに近いのかもしれませんね。機能的でありながら、色気もある。そして、しっかりとしたフォルクスワーゲンらしい走り……。この車は乗ったことはないけれど、おそらくそうですよね。ここまで褒めたら、アンバサダーになれますかね(笑)。
スタイリスト/「サンセ サンセ」ディレクター
梶 雄太
スタイリングのほか、ブランドディレクターなど多岐にわたり活躍。明るいキャラクターでいつも現場のムードメーカー的存在。昨年子供を授かり、暮らしの幅を広げるべく、近々キャンプを始めるとか?
 

② 走る、曲がる、止まる、積める

VWのセダン&ワゴンのラインナップの中では最も大きく最も上質なポジションに位置するパサート。初代は1973年に登場して現行型は8代目と、ゴルフより長い歴史を誇ります。会社にとっては乗用車造りにおける精神的支柱といっても過言ではありません。
その最大の特徴は何かと言われれば、ともあれ“まじめ”なことだと思います。車格的にはメルセデスになぞらえればCクラスとEクラスの間といったところですが、FFの利を活かしてとにかく広い。後席のレッグスペースはSクラスに迫るほどで、トランク容量はそれをも上回ります。
となるとワゴンの広さは推して知るべし。後席使用時で650Lの荷室容量はステーションワゴンでナンバーワンだそうです。ゴルフバッグ4つは当然のこと、アウトドアでも本格的なツールやなんやを使いこなそうとすると荷物も嵩みますから、SUVにも勝るラゲッジの大きさは頼もしいですよね。
パサート オールトラックは、この広大な居住性や積載性に四駆の走破性、操縦安定性を加えつつ、低重心な体躯がもたらす走りの気持ち良さや乗り心地の良さをウリとしています。SUVほど張り切った感じもなく、街でも自然でも、どちらにもふわっとフィットする。
それでいて、走る曲がる止まるのレベルはSUVより確実に高い。この手のワゴンって、酸いも甘いも知った大人の賢い選択ではないでしょうか。
自動車ライター
渡辺敏史
出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。
 



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