「突撃、隣のキャンプカー!」とは……今回突撃したのは、横浜・山手に住む一級建築士の土田拓也さん。築40年のマンションを自らの手で設計・リノベーションしたこだわりの自宅で、奥様と愛犬と生活を送る。週末はサーフィンをメインに楽しむアクティブ派だ。
デザインと機能性、そして快適さを追究するのが仕事の建築家は、どんなキャンプスタイルを築いているのか。土田さんの車やキャンプへかける思いを聞いた。
乗り続けて16年、メンテナンスは購入費の3倍!?
落ち着いたボルドーが美しい土田さんのキャンプカーは、’92年製の「ゴルフカブリオレ・クラシックライン」。購入したのは2004年で、かれこれ16年選手になる。
ゴルフカブリオレ・クラシックラインはフォルクスワーゲンのなかでも特別な人気モデルで、日本でもマニアックなファンが多い。もちろん、土田さんも例に漏れず並々ならぬ愛を注いでいる。
16年間で故障した回数はそれなりだが、「もともと物は必ず壊れるものだし、修理して乗ればいい」と土田さんは考えている。
「修理した回数なんて、わからないくらいですよ(笑)。その費用は、車を買った金額の3倍くらいはかかっていますが、高級車を購入するよりは経済的だと思います」。
維持の苦労はそれなりだと思うが、その手間を上回る美点とは一体、どこにあるのだろう。
「好きなものに手間をかけるって、最高に楽しいんですよ。行きつけの修理屋から元気になって戻ってくるとすごくうれしいし。周りにも不思議がられますけど、面倒を見ること自体が喜びなんですよね」。
手塩にかけるとはまさにこのこと。ちなみに、積み重なる修理費については、そろそろ奥様へ改めて弁明する必要があるのだそう……(笑)。
ドイツ製へのこだわりは祖母からの伝言
社会人になって以降はゴルフll、カブリオレと、ゴルフだけを愛車にしてきたという土田さんだが、これにこだわる理由も実に興味深かった。
「小学生のときにおばあちゃんからボールペンをもらったんですけど、それがドイツ製だったんですよ。品質が良くて、デザインに無駄がない。『まさにそれがドイツ製なんだ』って、おばあちゃんが言っていて。それがずっと記憶に残っていて、すっかり意識するようになりましたね(笑)」。
祖母の影響もあって、土田さんのゴルフ偏愛は頑なで一途。ほかの車種が選択肢に入る余地もない。
「仕事用にフランス車のカングーを買いましたけど、現行車らしく、普通に快適すぎるんですよね(笑)。ゴルフはやっぱり品があるし、乗り心地もちょうどいい。16年間乗っていますが、これからも乗り換えることはないと思います」。
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