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看板娘、登場

「お待たせしました〜」。
華やかで非常によろしい。右が大学院生の陽奈子さん(22歳)、左が大学生の菜摘さん(21歳)。2人もこの辺りが地元とのこと。
これに合わせるフードは、と。
とにかく安いが、どのメニューも一手間かけている。
菜摘さんいわく、「おすすめはカツの衣にチキンラーメンを使った『チキラーハムカツ』です。めっちゃ美味しいですよ」。
お値段400円。
注文が入ってから揚げられる。
さらに、これまた絶品だという「カレータルタルマカロニ」(300円)も追加しましょう。
役者が揃いました。
ちなみに、チキンラーメンなので卵が乗っているという趣向。ここで陽奈子さんが心憎い演出をしてくれた。
わかってますね。
衣に味がついているので、ソースは不要。試行錯誤の末に生まれた「カレータルタルマカロニ」は串カツに乗せたり、コロッケに入れたりと、万能の名脇役でもある。
ここで、店主の佐々木雄基さん(39歳)にご登場いただこう。
それにしても笑いが絶えない職場だ。
「僕の地元は仙台なんですが、ずっと野球をやっていて。高校時代は宮城県の優秀選手にも選ばれました。自分で言うのもアレですが、強打のキャッチャーで夏の大会は通算5割ぐらいは打ちました」。
現在は息子さんが所属する少年野球チームのコーチも務めているという。
その「小平スピリッツ」のユニフォームも飾ってあった。
店内のテレビでは常に野球の試合が流れている。お客さんの贔屓のチームはバラバラで、唯一、オリックスファンだけはいないそうだ。
中日ドラゴンズのファンだと告げると、懐かしい雑誌を持ってきてくれた。
うわ、高木と田尾のサイン持ってますよ。
そんな佐々木さんだが、野球ライフの心残りは甲子園に行けなかったこと。「でも」と菜摘さんを指差して言う。「この子は行ったんですよ。それが悔しくて悔しくて(笑)」。
聞けば、菜摘さんは中学時代から吹奏楽部でフルートを担当。進学した東海大菅生高校の野球部が甲子園に出場した際に、応援部隊としてアルプススタンドでフルートを吹いた。
高校3年生の頃、ソロパートを演奏する菜摘さん。


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