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アメリカ製キャンピングカーに吹く逆風

ハリウッド映画の影響もあり「キャンピングカーといえばアメリカ」というイメージをお持ちの方も多いだろう。
私自身、長年アメリカ製キャンピングカーを愛用して、その合理的な考え方や(良くも悪くも)アバウトなところに魅力を感じている。が、残念なことに、現在アメリカ製キャンピングカーの新車は、ほとんど輸入されていない。
輸入車の内装の例(写真提供:Dethleffs)
2000年代に入り、アメリカ本国ではトレンドが豪華さを競う方向に転じた。その結果大型化が進み、ほとんどの製品が日本で登録できないサイズ(全長12m、全幅2.5mのいずれかオーバー)になってしまったのだ。
日本向けに小さいサイズを作ってほしい、とオーダーしても、全米のマーケット規模からすれば、対日貿易量などたかが知れていて相手にしてもらえない。おまけにこのコロナ禍である。アメリカでもキャンピングカー人気が急上昇して、ビルダーは内需に応えるのに精いっぱい。
収益性の高い大型モデルに集中するのも当然の成り行きだ。どのメーカーでもブランドでも、日本で登録可能なサイズのモデルが生産中止になるなど、アメリカ製についてはますます厳しい状況が続いている。
つまり、日本で購入可能な、新車・輸入車のキャンピングカーとなると、ヨーロッパ車に限られると言ってよい。

国産でも輸入車でも選択肢は多様

初めてキャンピングカーを買う人にとって、いきなり国産か/輸入車かと問われてもピンと来ないかもしれない。置き場所の条件や遊び方によっては、悩むまでもなく選択肢が狭められる人もいるかもしれない。
だが、日本のキャンピングカー市場は今やこれほど多彩で、幅広い選択肢から選べるようになった、ということを知っていただければと思う。キャンプ先で友人の車を見せてもらったり、レンタカーであれこれ借り比べてみたり。比較検討する方法はいくつかあるのだ。
 
渡部 竜生:キャンピングカージャーナリスト
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記事提供:東洋経済ONLINE


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