OCEANS

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さて、彩さん。大阪はどちらの生まれですか?
「大阪の人が口を揃えて『何もないよね』と言う松原市です。あ、パチンコ店だけはたくさんあります(笑)」。
七五三のときの写真。右は2つ下の妹。
子供の頃から漫画とアニメが好きで、将来は声優になりたいと思っていたそうだ。
「とくに『テニスの王子様』にハマっていました。キャラクター性がすごく好きで。推しキャラは甲斐裕次郎でした」。
高校卒業後は大阪の声優専門学校に入学した。さらに、20歳で上京。芸能事務所に所属してCMやドラマに出演する。
当時は牛丼チェーンでアルバイトをしていて、印象に残っているのはいつも牛丼の並を注文する爺ちゃんだという。
「いくら教えても券売機の使い方がわからないみたいで、特別扱いでカウンター越しのキャッシュオンにしていました。『僕はね、毎日この牛丼と味噌汁を飲むから健康なんですよ』と言っていて、めっちゃかわいいなと(笑)」。
そして、縁あって1年ほど前からこの店のカウンターに立っている。今は出かける機会が少なくなったが、コロナ前のお気に入りスポットを聞いてみよう。
「東京でいちばん好きな場所は目黒の雅叙園です。コロナの前は毎年2回ぐらい行っていました。生け花とか和の灯り展とかの展示を見て、最後にお茶して帰る感じで」。
なかなか渋い趣味です。
「あとは、『勝沼 ぶどうの丘』というワイナリーが最高でした。地下にワインカーヴがあって、試飲容器を購入すれば約200種類のワインを自由に試飲できるんです」。
展望ワインレストランもある夢のような施設。
毎年1月に富士スピードウェイで開催される『ママチャリ日本GP』にも出場した。
「10人のチームで6時間をリレーしていく形式で、あれはしんどかった。最初の下りは目の前に富士山があって爽快なんですが、そのあとはずっと上り。結局、私は3周しか回れませんでした……」。
キャッチフレーズは「寒い・キツイ・辛いは当たりまえ」。
近況はいかがですか?
「中学時代は手作り部で、お菓子を作ったり、縫い物をしたりしていたんですが、最近その頃のことを思い出して。100均で道具を一式揃えて、いろんなモチーフを縫っています」。
縫うこと自体が目的なので、グッズとしての完成形はないという。
ところで、彩さん。好きなお酒は何でしょう。
「シードルもワインも好きなんですが、いちばんはウイスキーですね。ウイスキー検定の2級も持っています」。
中級レベルの試験に合格。
ならば、このお店で飲めるウイスキーのなかでお勧めを教えてください。
「人によって好みは分かれますが、私は『ノブ クリーク(KNOB CREEK)』が好きです。トウモロコシの風味が豊かなクラフトバーボンです」。
営業が再開されたら、こちらもぜひ飲みたい。
シードル、ワイン、ウイスキー。味の七変化を楽しむひとときが過ごせそうだ。
なんと、ノーチャージでフードも持ち込み可。
来りし日への期待が最大限に膨らんだところで、最後に読者へのメッセージをお願いします。
りんごジュースのお礼に参りますね。
 
【取材協力】
ガルツ シードル&ワイン
住所:品川区小山3-2-5
www.instagram.com/garutsu/
「看板娘という名の愉悦」Vol.151
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
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石原たきび=取材・文


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