1時間を超えると深い睡眠に入ってしまうため、その後、目を覚ましてもすぐに脳は正常のパフォーマンスには戻りません。また、1時間を超える仮眠は、夜の睡眠に悪影響を及ぼします。仮眠の健康に対する影響ですが、1日30分以下の仮眠が、アルツハイマー病の発症リスクを5分の1にするという研究があります。しかし、1時間以上の仮眠は、アルツハイマー病のリスクを2倍に増加させます。
働く男性の場合、週に3回以上、毎回30分の昼寝をする人は、死亡率が37%低く、心臓病での死亡率は64%も低くなります。また、糖尿病に関しても同様で、毎日30分程度の仮眠をとる人は、糖尿病のリスクが低く、逆に1時間以上の仮眠をとる人は、糖尿病のリスクが45%高くなる、という研究があります。
まとめると、1日30分前後の仮眠は、疲労回復、認知症予防、心臓病予防、糖尿病予防、身体の健康という観点からも、非常にいい。1時間を超える仮眠は、健康によくない、といえます。
「正しい仮眠」を取るための5つのルール
1:30分以下20〜30分が効果的60分を超えないように注意してください。
2:眠る前にカフェイン摂取眠る前に、コーヒーや緑茶などカフェインを摂取しておくと、約30分後にはカフェインの効果があらわれるため、自然に目覚めやすくなります。
3:できれば身体を横に理想的には平らなところで眠るのがベストです。難しい場合は、リクライニングチェアで60度くらい角度をつける。できるだけ身体をリラックスさせたほうが、身体の疲労回復効果が得られやすいです。
4:15時までに終了15時以後の仮眠は、夜の睡眠に悪影響を及ぼすので、マイナス効果となります。
5:30分で食事、30分仮眠60分の昼休みがある方は、30分で食事をして、残りの時間を仮眠に当てると、ちょうど、20〜30分を仮眠時間として確保できます。
樺沢 紫苑:精神科医、作家
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