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スマホ、テレビ、ゲームなどの余暇時間を少しだけ削る。帰宅後の家事も1週間だけサボッてみる。1週間だけなら、できるのではないでしょうか?
睡眠時間6時間以下の人は、集中力、注意力、判断力、記憶力など著しい脳機能の低下を伴っており、「徹夜明け」と同程度の認知機能、作業能力しかないことをお伝えしました。「そんなわけはない」と思うかもしれませんが、「認知機能が下がっている人は、自分の認知機能の低下に気付かない」という研究があります。
慢性的な睡眠不足による仕事のパフォーマンス低下には、自分では気付けない。仕事が終わらないので残業が必要になる。残業が多いので睡眠時間を削らざるを得ないという悪循環なのです。さらに疲労やストレスもたまり、何をやってもうまくいかないという泥沼の状態に陥っているのです。それは、単なる「睡眠不足のせい」です。
たった1時間睡眠を増やすだけで脳の機能は著しく改善します。仕事のパフォーマンスは上がり、仕事の生産性は上がります。仕事のミスも減り、仕事は効率化し、仕事が早く切り上げられるようになり、そこで睡眠時間が確保できるようになります。
睡眠時間の悪循環(画像:『ブレイン メンタル 強化大全』(サンクチュアリ出版)より)
睡眠不足では、「10キロ」の足かせをしているのと同じ。それを取り除けば、今までとは別次元のパフォーマンスが出せるのは当然のことです。
「しっかり眠ると、こんなに調子がいいんだ」という気付きを得るだけで「睡眠改善」へと、大きな一歩を踏み出すことができるはずです。「睡眠時間を1時間増やす」は、最も簡単で、最も効果が得られる最強の仕事術なのです。

「26分の仮眠」で能率が向上する研究も

平日、睡眠不足の人は、「仮眠」をとるといいでしょう。仮眠によって、日頃の睡眠不足がなしになるわけではありませんが、「集中力低下」などの脳のパフォーマンスを改善し、健康に対する害を減らすことが可能です。
アメリカのNASAの研究によると、26分の仮眠によって、仕事効率が34%アップ、注意力が54%アップしたそうです。
アメリカでは、Googleやナイキなど、仮眠室やナップポッドと呼ばれる睡眠マシンを導入する企業が増えています。
では仮眠の場合、何分眠るのがいいのでしょう? 仮眠についてさまざまな研究がありますが、20〜30分が効果的と考えられます。30分を超えると効果が徐々に悪くなり、1時間を超える仮眠は、脳のパフォーマンス的にも健康的にも悪影響を及ぼします。


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