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岡田さんがはいているのはエドウインの「503」。津吉さんはファンダメンタルのGジャンと、10数年前に購入したというウエスト100cmの501ビッグEを着用。ヴィンテージのオーラが半端じゃない一本である。
経年変化したデニムは単なる服ではなく、自分らしさを表現するためのツールでもある。一方で今現在のデニムは、樹形図のような多様な進化を経て、さまざまなバリエーションと属性を備えるにいたった。
ならば大人はどう着るべきか。長くはき込んだ相棒を堂々と身に着けるのか。スラックスのように整った美しい一本をチョイスするのか。
津吉 この年齢になると誰しも10年、20年持っているデニムがあるはず。その長い時間は、若い人に持つことはできません。育ててきたデニムをはくことが“大人デニム”のひとつのスタイルかと思います。
岡田 僕は対照的に、買ったときの最初の色が好きなんですよね。濃いめのデニムときれいめのシャツ、そんな格好が多いです。若いときはどうだったんだろう。501や古着、そしてヴィンテージの色落ちを目指したレプリカ系デニムというのが、入り口にあったような気がします。
[岡田さんのデニムコレクション]上から時計回りに、エドウインの永遠の名作「503」、マッキントッシュのリジッドデニム、ストレッチ性抜群のエドウインの「ジャージーズ」。ブルーデニムもブラックデニムも、岡田さんの好みは濃色である。
津吉 僕がブランドを始めたきっかけは、学生時代に友人がはいていた501の66モデル。その色落ちが最高で。でも当時10万円はしましたし、今よりもっと痩せていたから合うサイズがない。じゃあ自分のサイズの、いい色落ちのデニムを作ろうと。
岡田 それ、デザイナーとして本当にカッコいいなあ。リーバイスやエドウインの通過儀礼を受けて、次に僕らはどこに向かったんでしたっけ? ラフ シモンズとか?
津吉 僕はなにしろヴィンテージが好きで特殊な道をたどってきたので、参考にならないかと(笑)。
岡田 あ、思い出しました。僕はアー・ペー・セーです。そこですね、きれいなデニムとの最初の出合いは。
津吉 それは岡田さんにとっての“大人デニム”の第一歩かも。フランスとの出合いでもありますね。


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