OCEANS

SHARE

[津吉さんのデニムコレクション]右がファンダメンタルのパッチワークデニム。尋常ではないクラフト感が魅力だ。左はリーバイスの501赤耳モデル。
岡田 逆に今の若い子たちって、デニムをどう思っているのでしょうね。
津吉 そもそも日本人の若い男の子はあまりデニムをはかないです。僕らは「リーバイスが1890年に品番登録した501が……」という話にワクワクしますが、若い人たちは違う文脈でデニムを捉えているはず。
だから赤耳とか、ボタンフライだとか「デニムは本来こうあるべき」という思考を外してモノ作りをしないといかんなあ、と思っています。
岡田 でもそういう話を聞くと、デニムを楽しんでいること自体が“大人デニム”と言えそう。若い子たちはデニムとジャケットの合わせに目から鱗が落ちることはないだろうし、芝生に座れる!という感動もないでしょう。良い悪いではなく。
津吉 デニムひとつでこれだけ話が盛り上がるのは、そのぶん豊かな経験があったということですよね。
岡田 いつの時代も若い子の感覚がファッションの正解です。でもデニムはファッションというより、カルチャーなのかもしれません。
津吉 カルチャーは、教養を持っていないと会話を楽しめない。デニムの教養で僕らは遊べるんですよね。
「学生の頃は恥ずかしながら腰ばきで」「踏みまくった裾がボロボロだった」……いつまでも尽きないデニム話。やっぱり僕らは、いくつになってもデニムが大好きなのだ。
 
西崎博哉(MOUSTACHE)=写真 加瀬友重=文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。