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看板娘、登場

「お待たせしました〜」。
28歳の許 鑫磊(キョ・キンライ)さん。15歳のときにお父さんの転勤で中国から日本にやってきた。
さっき、神田川沿いの桜を見てきましたが、中国でもお花見はするんですか?
「しますね。公園でシートを敷いて、お弁当、デザート、飲み物とかを持ち寄って。でも、日本人みたいにお酒はたくさん飲まないです(笑)」。
フードメニューもいろいろあるが……。
せっかくなので、ガツンとザリガニ感があるものを食べたい。
「それなら、うちの看板メニューの『マーラーザリガニ』がお勧めですよ。頭付きと頭なしの2種類を選べます」。
頭付きと頭なし。
これは当然、頭付きでしょう。「マーラーザリガニ頭付き」(2728円)、お願いします。
登場しました。
ザリガニは中国から取り寄せた養殖物。日本の泥臭いイメージとは違う。ここで、許さんが食べ方を説明してくれた。
「背中の隙間に指を入れてねじりながら頭を取ります。頭の味噌が美味しいです。殻の部分をちょっとだけ剥いて引っ張るときれいに取れます。これを四川風の辛いスープに絡めて食べてください」。
「ビールとめちゃくちゃ合います。中国人はみんな大好き」。
剥き方はなかなか難しいが、最後の方にはコツを掴めてきた。味噌をすすって身にかぶりつく。辛いけど美味しい。美味しいけど辛い。
食べ終わったときに許さん、「締めのつけ麺もありますよ」。おっと、いただきましょう。
プラス242円。テーブルクロスには「ここは一番きれいなザリガニです」。
これがまた絶妙だ。モチモチの麺に激辛スープがよく絡む。
このあと、1時間ほど汗が引かなかった。


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