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走るのはあくまでゴールを決めるため

こうして、PRを担当するブランドを通じ、ランニングカルチャーの面白さにも触れることになる。やがてグループランと呼ばれるイベントに参加したり、仲間と一緒に駅伝大会に出たり、より一層、ランニングに傾倒していった。
太郎館季道
「たまにサッカー呼ばれたときに、思うように動けないことってあるんですよね。そうすると悔しいじゃないですか。年齢的にも、周りから『オレ、前はもうちょっと動けたんだけどな』という自虐の声が聞こえるんですよ。
でも、そういうのってなんだかダサい。大事なのは今やってるかどうか、今動けるかどうか。年齢を言い訳にせず、いつ呼ばれてもベストパフォーマンスを発揮できること。そのために走っていました」。
仕事でモヤッとすることがあっても、ランニングをすればリフレッシュして気持ちが良い。汗とともに体がデトックスされ、リフレッシュする。夜遅く帰宅して、それから走りに行くこともあった。「深夜に走ってるオレ、なんだか格好良いかも!」と、モチベーションを上げながら。
でも、ある日ふと気がついた。
太郎館季道
「走ることで確かにフィジカルは整いました。だけどランニングの走行距離、費やす時間が増えすぎて、ボールを蹴る時間まで犠牲にしていたんですよ。
サッカーはボールを扱うスポーツですから、蹴れてなんぼ。ランニング仲間は月間走行距離を競い合ったり、参加するレースの難易度をインフレーションしていく状況を楽しんでいたりしましたが、その雰囲気にあまり乗れなかったというか、興味が沸きませんでした。
あくまで自分はフットボーラーだったんですよね。急にお呼ばれしたときの、その日の1点が自分にとって最優先。幸い、体脂肪率は1ケタ前後をキープできてますし、それなら走る時間をこれ以上増やすよりも、ゲームの中でスプリントしたり、ボール蹴ってるほうがいいなって」。


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