「腕“時”慢」とは……日本発のアイウェアブランドとして、さまざまな業界から支持を集めるアヤメ。
デザイナーの今泉 悠さんが愛用する3本の腕時計について話を訊いた。
今泉 悠●1983年生まれ、茨城県出身。日本人の顔立ちに馴染むアイウェアブランド、アヤメの代表兼デザイナー。キックボクシングやサーフィンを嗜むアクティブ派としても知られている。
小径モデルを求めてヴィンテージロレックスの世界へ
「サイズありきの時計選び」。今泉さんのセレクトの基準は実に明確だ。
「腕時計はプロダクトとしてすごく惹かれる部分があります。ディテールの詰め込み方ひとつとってもモノづくりのヒントを得られることが多いです。
メガネとも共通点が多くて、ミリ単位で表情が変わるからサイズ選びは妥協ができません」。
手首が細いことから小ぶりの時計を探していた今泉さんが辿り着いた答えが、ロレックスのヴィンテージウォッチだった。
「初めに買ったのが、定番中の定番であるサブマリーナー Ref.5513。コレを手に入れたことで視界が一気に広がって、僕のなかで時計を見るうえでのひとつの基準になっています」。
このサブマリーナーは製造期間が長かったことから年代ごとにディテールが異なるのだが、この個体は“メーターファースト”と呼ばれる稀少な文字盤を持つ1960年代後半に製造されたモデルである。
「40mm弱のケース径だから、現行モデルよりは小さく見えるかもしれませんが、僕にはまだまだ大きく感じられて……。この出合いをきっかけに小径モデルへの憧れがさらに強まりましたね」。
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