酒移住者が造る、世界古来の「ミード酒」って?
秩父が酒どころとして盛り上がるにつれ、酒造りのために移住する人も年々増加している。
秩父令和商会という土産店を営む工藤宏樹さんも、そんな“酒移住者”のひとり。約2年前に夫婦でミード酒を造るために秩父に越してきたという。……ところでミード酒って何?
「原料は蜂蜜と水だけ。蜂蜜を水で希釈して酵母菌で発酵させた酒をミード酒といいます」。
添加物や香料は一切不使用のシンプルな酒ゆえに、原料でかなり味が左右される。工藤さんは、もともと秩父に縁はなかったものの、都心へのアクセスが良く、水が美味しいという理由からこの地を移住先に選んだと、語る。
「ミード酒は世界最古の酒ともいわれ、古くはローマの英雄ジュリアス・シーザーやクレオパトラも愛飲していたという史実が残っています。実はハネムーンの語源にもなっていて、新婚夫婦が蜂蜜で酒を仕込んで飲んでいたことから、蜜月=ハニームーン(ハネムーン)というようになったんです」。
ミード酒のアルコール度数は8〜10%。度数だけ見ると日本酒やワインとさほど差がないが、蜂蜜の甘さが口内に広がり、後味はすっきりしているのでかなり飲みやすい。ハムやチーズなどの食材と相性が良く、イタリアンにペアリングするのもオススメだ。
自然豊かな秩父で造られる、古くて新しいミード酒。この地で生まれる新たな酒と、いち早く出逢えるのも、酒どころ・秩父の面白さなのだ。
[スポット詳細]
秩父令和商会
住所:埼玉県秩父市野坂町1-20-38
公式ツイッター
掘れば掘るほど魅力的な酒が見つかる、酒どころ・秩父。市内だけで200軒以上の地域密着の酒場が近接し、コロナ後には、バー・ホッピングも思いっきり楽しめるだろう。酒好きは、ぜひ行きたいところリストに加えておいてほしい。
ちなみに、事前に地元飲食店の情報を知るには、秩父市が運営するスマホアプリ
「ちちぶ乾杯共和国パスポート」の利用がオススメ。秩父の酒に関する情報も入手できるし、買い物や飲食でポイントを溜めることもできる。来るべき日のためにダウンロードしておこう。