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2021.04.02

ライフ

渡辺真史が探訪。“今”を感じる作品が集まる開放的な画廊「104ギャラリー」

雑誌や広告などの撮影で使用するあらゆる美術製作を手掛ける一方で、中目黒にある小さな画廊「104ギャラリー」のオーナーも務めるENZO。渡辺真史とは20代の頃にモデル仲間として知り合い、一時は同じ建物に互いの事務所を構えた間柄だ。
渡辺真史●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージング。
渡辺 本当にいい雰囲気の空間だね。
ENZO ありがとう。基本的な設計は自分。極力シンプルに、あえてデザインしないように。入り口のタイルは自分でオランダから持ってきたけど。
渡辺 これはエスプレッソマシン?
ENZO ベゼラの初代だね。コーヒー一杯飲めるだけでお客さんとの時間も違う。毎日飲みに来る人も(笑)。
渡辺 いわゆるギャラリーって少し入りにくいけど、ここは落ち着くなあ。アートにありがちな、極端なアンダーグラウンド主義を感じないというか。
ENZO 昔から、閉鎖された感じが苦手。知ってるでしょ? ベベタン(渡辺の愛称)と一緒の中目黒のビルで自分のアトリエを開いていたときも、入り口はほとんど開けっ放しだった。
渡辺 そうそう。徐々に作品が出来ていくのが外から見てもわかった。
渡辺真史が探訪。“今”を感じる作品が集まる「104ギャラリー」
ENZO 純粋に「いいな」と思うものが、周りに広がっていってほしい。みんなの日常へ溶け込む感じで、アートがもっと身近になればきっと楽しい。
渡辺 ギャラリーを始めたのも、そんな狙いから?
ENZO そう。絵、写真、彫刻を問わず、どこかに“今”を感じるものを世界中から集めてる。たとえばヨーロッパに行って、隅々までギャラリーを訪れては、作品を見ての繰り返し、気になる作家がいれば手当たり次第に会って作品を作ってくれないかって、ひたすら説得している。うちで扱っているのは、大体が日本初上陸の作家だね。
渡辺 すごくダイレクトで純粋。
ENZO まあ、俺は英語が全然喋れないんだけど、逆に彼らの作品自体に集中できるからそのほうが良かったり。
渡辺 面白いアプローチだね。
ENZO この過程がいちばん楽しい。
渡辺 でも、売れなきゃ商売にはならないでしょ?
ENZO もちろん。作家にもよく聞かれるよ。「売れるのかな?」って。「売れるかはわからない。でも、見せたい人はいる」って答えてる。ただ、うれしいことに、散歩で通りかかった人が急に購入してくれたり(笑)。
渡辺 このデジタルの時代に、ある意味ですごく原始的で本質的なやり方を貫く。それってやっぱり“好き”だからこそできることなんだと思う。
——東京・中目黒の片隅で。あなたの明日の景色を一変する扉は、静かに開かれている。
「104ギャラリー」
東京都目黒区青葉台3-22-1 目黒ハイツ104
03-6303-0956
※営業時間は展示により異なる
instagram@104galerie
若木信吾=写真 増山直樹=文


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