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この車で旅がしたい

昔から車は好きでしたが、東京に出てきてからは、「車なんかいらないよね。だって、こんなに公共交通機関が充実してるんだから!」と言い続け、今にして思えば自分を騙していました。

でもここ数年は「心が動くモノには躊躇なくお金を投じよう」と考えるようになり、そして僕の心が動いたモノのひとつが「車」だったんです。
で、いろいろなブランドの車を試乗してみましたが、そのなかでも最も心が動いたのが、結果としてその後買うことになったBMW 3シリーズのセダンです。ドライバーである自分の感覚と車の動きとの間にまったく誤差がないというか、思ったとおり、入力したとおりに動いてくれるので、気持ち良くて仕方ないんですよね。
新型の5シリーズ ツーリングはまだ運転していませんが、「旅に出るための車」としては最高でしょうね。昨年の秋、オーシャンズの企画で、自分の3シリーズ セダンで西日本を気ままに巡る旅に密着してもらいました。そのとき、もちろん3シリーズ セダンの乗り味は改めて素晴らしいと思ったのですが、「旅に持っていく荷物」については、積載スペースの関係で妥協せざるを得ませんでした。
本音を言うと、もっと服を持って行きたかった。でも5シリーズ ツーリングであれば、走りだけでなく「持っていくモノ」だって妥協せずに、本当に素晴らしい旅ができるんじゃないかなと思いますね。
モデル
KENJI
自身の3シリーズ セダンは「Mスポーツ エディション シャドー」。ブラックアウトされたギドニーグリルとMスポーツの走行性能にヤラれて即決。次に狙っているのはオープンカーとのこと。
 

完成されたスタイルが心地いい

昔はですね、「走りや乗り心地を優先するなら、SUVより重心の低いセダンかワゴン」みたいなことが言われていました。実際、昔のSUVは乗り心地がゴワゴワしていて、山道ではヨッコラショというコーナリングで、おまけに燃費も悪かった。
しかしですよ、BMWのX5とX6をクローズドコースで振り回す機会がありまして、タイヤを鳴らしてキャッキャ喜びながら実感しました。技術の進歩とは素晴らしいもので、SUVだからといって走りや乗り心地が劣るということはなくなっているのです。少なくとも、BMWに関しては。
では、SUVではなくステーションワゴンを選ぶ理由は何か? 思いますに、広い意味でスタイルを選ぶということではないでしょうか。例えば今の時代、スーツにダイバーズウォッチを合わせても誰も何も言いません。でも、やっぱりスーツには2針の革ベルト、革の色はズボンのベルトや靴に合わせるべし、ということにこだわる人もいます。
こういうこだわりを堅苦しいと考える向きもあるでしょうが、長い時間をかけて練られてきたルールを守ると、やはりすっきりとしていて、洗練されたスタイルになります。
ステーションワゴンも同じ。荷物を積んで遠くへ行くバカンスやグランドツーリングのために磨き抜かれてきた5シリーズのツーリングは、遊び心と機能をクールにバランスさせるスタイルが完成しています。地中海沿いのオーセンティックなホテルが似合いそうです。
モータージャーナリスト
サトータケシ
フリーランスのライター/エディター。年明けに取材で新宿に行った際に、そういえば新宿の街を歩くのは一年ぶりだと気付いて、コロナ禍の影響のデカさに改めて気付いたとか。


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