長らく続いたデカ厚ブームウォッチの反動から始まり、徐々に高まりつつある“小径ウォッチ”ブーム。
そんな新しいトレンドの有用性を証明する、パテック フィリップ、カルティエ、チューダーの小径モデル3本をお届けしよう。
① どんな手首にもフィットする37.5mm
パテック フィリップ カラトラバ・パイロット・トラベルタイム Ref.7234200種類以上にも及ぶパテック フィリップの現行コレクションのなかでも異彩を放つ「カラトラバ・パイロット・トラベルタイム」。
2015年、前身であるRef.5524の発表当時、一見すると「これがパテック フィリップの時計なのか?」と疑問が浮かぶ独創的なスタイリングは、世界中の時計関係者の間で多くの議論を巻き起こした。
レトロな顔立ちとは裏腹に、Ref.5524は最新のデュアル・タイムゾーン機構を搭載し、特許取得のシステムによる2個のプッシュボタンの操作によって、現地時刻表示の時針を1時間単位で前進・後退することができる優れた機能を備えている。
続いて、2018年に登場した後継モデルでパテック フィリップは、前述したRef.5524のルックスやスペックはそのままに、ケース径を42mmから37.5mmまでサイズダウンするという離れ業をやってのけた。
ここで行われた小径化とは、「どんな手首にフィットするミディアムサイズの提案」という意図に基づくもので、シェアウォッチのトレンドを先取りしていたことが見て取れる。
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