■アルファロメオで屋根の開く空飛ぶ円盤を
最後に紹介するのは、イタリアの老舗カロッツェリア「トゥーリング・スーペルレッジェーラ」の一台。
1926年に創業し、1966年に活動を一時停止。2006年に新体制となって復活を遂げた同社は現在、ミラノに拠点を構え、昔と同様、自動車メーカーの依頼を受けてデザインエンジニアリングなどを請け負っている。
2012年のジュネーブモーターショーでお目見えしたのが、アルファロメオ8Cがベースの「ディスコヴォランテ」だった。
アルファロメオは1952年、カロッツェリア・トゥーリング(トゥーリング・スーペルレッジェーラのルーツ)と「1900 C52」を共同開発。当時としては異例なまでにエアロダイナミクス性能を追求したフォルムが特徴的で、空飛ぶ円盤を意味する「ディスコヴォランテ」と呼ばれた。
そんなディスコヴォランテのオマージュが2012年に登場した新生ディスコヴォランテだ。
今回紹介するのは、「新生ディスコヴォランテ」のオープンモデルとして2016年に投入されたモデル。
アルファロメオ8Cスパイダーがベースになっている。写真ではルーフを装着しているが、簡単に外すことができる。
世界限定7台で、すべてが異なるボディカラー。そんなレアな7台のうちの1台がドイツのフェラーリ・ディーラー「ニキ・ハズララグ」の在庫に並んだので、車業界がざわついた。価格は「応談」となっているが1億円は下らないだろう。
古賀貴司(自動車王国)=文