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家族6人で月1回はキャンプへ

サーフィンになかなか行けない一方で、コロナ禍のため家族とキャンプに出掛けることが増えたという。他人との密を避けて、屋外で思い切り遊べるからだ。

「月に1回は行きますね」。髙嶋さんと奥さん、それに子供たちが4人。計6人でタイプIIに乗り込み、キャンプへ出掛けている。

イベントでタダでもらった錆び付いたヘッドライト。


「多いのは神奈川県の丹沢。この年末年始も家族とキャンプをして年を越しました」。現地では当然テントで寝るのだが、早めに現地へ行くために、夜のうちに最寄りのインターチェンジ近くで仮眠を取り、朝になったら高速道路に乗って行くのが常だという。そのため、6人が車内で仮眠できるように、2列目以降がベッドになるようにしている。

また寒いと眠れないので、タイプIIにはFFヒーターを取り付け、夏対策として吊り下げ式クーラーも備えた。

「実感としては気温が31度までなら大丈夫ですけど、35度以上の猛暑日だとこのクーラーでは厳しいんですよね。だからキャンプカーにあるような、本格的なエアコンを取り付けようかと考えています」。

蜘蛛の巣ペイントは購入前から描かれていたが、そのまま残した。


天井は生地を剥がして好みの仕様に変えようと思っていたが、まだ手を付けていない。「今日は、取材があるからと思い、とりあえずホームセンターでベニア板を買ってきて、差し込んでます」。

大好きなサーフィンに行けないほど仕事が忙しいので、タイプII改造計画はなかなか進まないが、出来ることから少しずつ。

「お店もそうですが、童心に戻っているときって楽しいじゃないですか。その楽しいと思える感覚を、ずっと大切にしていきたいんですよね。その意味では、お店もタイプIIも、僕の秘密基地です」。子供の頃と違うのは、思いを実行できるお金を稼げること。

取材中に「そのうちみんな電気自動車になるんですか?」「ガソリン車には乗れなくなっちゃうんですか?」「この車みたいに燃費が悪いと車検が通らなくなっちゃうんですかね?」といろいろ尋ねられた。

HATTIFNATTの吉祥寺店。1階部の小屋根や壁は、髙嶋さんとお父さんのふたりで作った。


「まあ世の中の方向的にはそうですが、すぐにはそうならないと思いますよ」と答えると「そうですよね。この車はずっと乗り続けていきたいんです」とほっとするTさん。

その笑顔は、まさに自作の秘密基地で見せる子供の笑顔だった。



鳥居健次郎=写真 籠島康弘=取材・文

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