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童心を忘れなかったら、ワーゲンバスを見つけた

昔からアンティークなものに惹かれていたという。子供の頃は、お父さんが拾ってきたドラム缶で作ってくれたおもちゃ箱にブリキのおもちゃを入れ、夏になれば、やはりお父さんが作ってくれたタイヤチューブを使った浮き輪で、波間に浮いていたそうだ。

そんな幼少期だったから、おしゃれなカフェよりアンティークな喫茶店が好きで、手づくりの雑貨にも興味があったという。それが今のお店に繋がった。

床には厚いベニア板を敷いている。奥のテーブルで仕事をすることもあるそう。


一方車も、少し古くて味のあるものが好きだ。

初めて買った車はフォルクスワーゲン ゴルフII。その後、現在の通称“アーリーバス”と呼ばれるタイプIIを購入した。「まだ20歳の頃で、さすがに故障が多くて手に負えず、手放しました」。

その後ジープのチェロキーをはじめ、数々の車に乗り、丸目のフォルクスワーゲン ヴァナゴン(T3型)に乗っていたときに、たまたまネットで現在の愛車を見つけた。

「ヤレ具合がとても魅力的でしたが、ちょっと価格が高いなと」思っている間に売れてしまったという。

ラゲージはいつでもキャンプへ出掛けられるような状態。


ところが約1年半後に、同じ中古車販売店のサイトに、再びこの車が掲載されたのだという。それも最初のときより少し安いプライスタグを掲げて。

「また見つけるなんてこれも縁だろうな」と思い、連絡を取り、先述のようにさらに値下げしてもらい、エンジンとミッションを修理して購入したというわけだ。

童心を忘れないで、というHATTIFNATTの経営者である髙嶋さんは、心のどこかでずっとやれたタイプIIを求めていたようだ。だからネットで再び見つけることができたのだろう。

「時折、キレイにレストアされたタイプIIをネットなどで見かけますが、それを見ると『あぁもったいない』と思う口です(笑)」。



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