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キーワードは自然免疫と獲得免疫


──本のタイトルになっている「コロナに殺されない方法」とは、ずばり長沢オリゴのことでしょうか?
その通りです。わかりやすくいえば、フラクトオリゴ糖によって体質を改善し、免疫を高めることがコロナウイルスに殺されない方法と考えます。
大腸内に酪酸菌が多ければ、新型コロナウイルスはほとんどの場合、自然免疫によって撃退することができるからです。
──最近よく耳にするようになった免疫ですが、一体どういうものなんですか?
新型コロナウイルスの場合で説明しましょう。ウイルスが口や鼻、喉、気管支、肺などに感染すると、まず自然免疫の系統に属するNK(ナチュラルキラー)細胞とマクロファージ、樹状細胞などがウイルスへの攻撃を開始します。
しかし、これらの自然免疫系がウイルスを除去できない場合、7日目くらいから、B細胞、キラーT細胞という獲得免疫が動き始めます。
B細胞は抗体を作り、その抗体はウイルスにくっついて他の細胞に感染できなくします。
キラーT細胞は、ウイルスに感染した細胞の内部だけを破壊するもの。新型コロナウイルスの場合、理由はわからないのですが、感染した細胞をキラーT細胞がうまく攻撃できない、と推測されています。
──要するに、免疫は「自然免疫軍団」と「獲得免疫軍団」の二段構えなんですね。
そうです。獲得免疫のB細胞が作った抗体にくっついたウイルスは、自然免疫系に属するマクロファージや好中球などが食べてしまいます。ただ、問題はそのときに産生される炎症性サイトカインというタンパク質の一種にあります。
これは体に炎症反応が起きるときに、ウイルスと闘うものですが、この炎症性サイトカインの分泌が多すぎると、細胞が次々に破壊されるという現象が起こってしまいます。
特に新型コロナウイルスは、この炎症性サイトカインが大量に放出される傾向にあるといわれています。


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